アイルランド出身のロックバンド、U2が2025年のウディ・ガスリー賞の受賞者に選ばれたことが発表されました。この賞は、オクラホマ州タルサにあるウディ・ガスリー・センターが主催し、ウディ・ガスリーの社会的な意識と音楽的遺産を体現するアーティストに毎年贈られています。
1976年にダブリンで結成されたU2は、約50年にわたり、社会活動と深く結びついた音楽を創造してきました。彼らは、貧困、戦争、人権といった地球規模の課題に対する意識を高める活動で知られており、その音楽はガスリーが歌った愛、希望、正義、平等の理想を現代に引き継いでいます。バンドのフロントマンであるボノとギタリストのジ・エッジは、2025年10月21日にタルサのケインズ・ボールルームで授賞式に出席し、この栄誉を受け取る予定です。この会場は、U2にとって特別な場所であり、バンドは1981年にデビューアルバム「Boy」のツアーでこの地で演奏して以来の凱旋となります。
ウディ・ガスリー・センターのシニアディレクターであるケイディ・ショウ氏は、「U2は、音楽を用いて不正義に立ち向かい、行動を促すというウディ・ガスリー賞の使命を体現しています。2025年のウディ・ガスリー賞をU2に授与することで、私たちは、私たちのあり方を問い続け、世界中の人々を結びつける音楽の遺産を称えます」と述べています。過去の受賞者には、ピート・シーガー、メイヴィス・ステイプルズ、ブルース・スプリングスティーン、ジョーン・バエズ、チャック・D、トム・モレロなどが名を連ねており、U2がこの権威ある賞の新たな一員となることが示されています。
U2の音楽活動は、単なるエンターテイメントにとどまらず、社会的なメッセージを発信する強力な手段となってきました。彼らは、ONEキャンペーンや(RED)といった組織の設立に関わるなど、人道支援活動にも積極的に取り組んでいます。これらの活動は、ウディ・ガスリーが「この機械はファシストと戦う」とギターに記し、社会の不条理に声を上げた精神と共鳴するものです。この賞は、音楽が持つ変革の力と、アーティストが社会に対して果たすべき役割についての深い理解を示すものです。U2の長年にわたる音楽と社会活動への献身は、ガスリーの遺志を継ぎ、より公正な世界を目指す多くの人々にインスピレーションを与え続けています。