ジェレミー・ダッチャー、2度目のポーラリス音楽賞受賞で歴史を刻む

ジェレミー・ダッチャーが、アルバム『Motewolonuwok』で2024年のポーラリス音楽賞を受賞し、同賞を2度受賞した初のアーティストとなりました。授賞式は2025年9月16日にトロントのマッセイ・ホールで開催され、2025年の受賞者にはイヴス・ジャーヴィスがアルバム「All Cylinders」で選ばれました。トビアック・ファースト・ネーション出身のトゥースピリットのアーティストであるダッチャーは、伝統的な歌と新古典派、ジャズ、ポップの要素を融合させた独自のスタイルで知られています。彼の芸術的な貢献は世界的な評価を得ており、著名なミュージシャンとのコラボレーションも実現しています。2006年に設立されたポーラリス音楽賞は、商業的な成功やジャンルに関係なく、その年のカナダのアルバムの中で最も芸術性の高い作品を表彰するものです。ダッチャーは2018年にアルバム『Wolastoqiyik Lintuwakonawa』で同賞を初受賞しており、今回が2度目の受賞となります。賞金はスライト・ファミリー財団から30,000カナダドルが授与され、これに加えて、ポーラリス・ソング・プライズとして10,000カナダドルがムスタファの楽曲「Gaza Is Calling」に贈られました。ダッチャーは、自身の音楽を通じて、先住民のアイデンティティと文化の継承、そして和解への道を照らしています。彼の二度目の受賞は、カナダ音楽界における彼の揺るぎない影響力と、芸術的探求の証と言えるでしょう。ポーラリス音楽賞は、カナダのインディーズ音楽の認知度向上に貢献しており、その選考プロセスは、ジャンルや販売実績にとらわれず、純粋に芸術的価値に基づいて行われます。200人以上の音楽評論家、放送作家、ブロガー、キュレーター、プログラマーからなる審査員団が、長年にわたりカナダの音楽シーンの多様性と革新性を称賛してきました。ダッチャーの音楽は、先住民の言語と文化を現代的なサウンドスケープに織り交ぜることで、カナダの音楽の新たな地平を切り開いています。