セルビア映画『太陽はまだ沈まない』、オスカー国際長編映画賞セルビア代表に選出

編集者: Anulyazolotko Anulyazolotko

デヴィッド・ヨヴァノヴィッチ監督の映画『太陽はまだ沈まない』(原題:Sunce nikad više)が、第98回アカデミー賞の国際長編映画部門におけるセルビア代表として正式に選出されました。

本作は、多国籍鉱業企業の強欲と権力が引き起こす人間と自然への苦しみを描いており、その普遍的なテーマ性が評価されました。選考委員会は、詩的な自然主義で表現された一貫性のある悲劇的な物語を称賛しています。ヨヴァノヴィッチ監督は、鉱山のある村での幼少期に目の当たりにした産業が地域社会や環境に与える影響から着想を得たと語っています。映画には、ドゥシャン・ヨヴィチッチ、ラストコ・ラチッチ、そして本作で助演男優賞を受賞したスヴェトザール・ツヴェトコヴィッチらが名を連ねています。

セルビアはこれまで、アカデミー賞国際長編映画部門に多くの作品を送り出してきましたが、ノミネートに至った作品はありません。『太陽はまだ沈まない』は、その深いテーマ性と芸術性で国際的な評価を得る可能性を秘めています。特に、鉱業がもたらす環境破壊や地域社会への影響という現代的な課題に光を当てている点は、多くの観客の共感を呼ぶでしょう。

鉱業は地域経済に恩恵をもたらす一方で、大気汚染、水質汚染、土壌劣化、生物多様性の喪失といった深刻な環境問題を引き起こす可能性があります。これらの問題は地域社会の生活の質を低下させ、長期的な影響を及ぼします。本作は、こうした鉱業の負の側面を浮き彫りにし、持続可能な開発のあり方について問いかけています。

スヴェトザール・ツヴェトコヴィッチは、長年にわたりセルビア国内外で活躍する実力派俳優であり、数々の賞を受賞しています。2017年にはヒューストン映画祭で主演男優賞を受賞し、2024年には「パヴレ・ヴイシッチ賞」を受賞するなど、その功績は高く評価されています。本作での彼の演技も、映画の感動を一層深めることでしょう。

第98回アカデミー賞の国際長編映画部門におけるノミネート作品の発表は、2026年1月22日(現地時間)に予定されています。セルビア映画界にとって、『太陽はまだ沈まない』が新たな歴史を刻むことになるのか、世界中の映画ファンの注目が集まっています。

ソース元

  • Telegraf.rs

  • Danas

  • Green Art Incubator

エラーや不正確な情報を見つけましたか?

できるだけ早くコメントを考慮します。