サラゴサ映画祭第30回記念：巨匠への敬意と新作プレミア

サラゴサ映画祭（FCZ）は、2025年11月20日から29日にかけて開催される第30回を迎え、スペイン国内における主要な映画イベントとしての地位を確固たるものにしています。この記念すべき祭典は、国際的および国内的に大きな注目を集めており、その証拠に、世界53カ国から過去最多となる1,669作品の応募がありました。サラゴサ市役所の支援を受けた主催者は、30年間にわたる視聴覚芸術への献身を強調する充実したプログラムを発表しました。

第30回では、フェスティバルの様々な部門を網羅する14のセッションを通じて、123本のファイナリスト作品が紹介されます。観客は、長編映画4作品のプレミア上映に加え、10回の討論会や講演会に参加する機会を得ます。合計で10の公式「アウグスト」賞と、現代映画の多様性を称える多数の特別表彰が授与される予定です。この映画祭は、1995年に「Jóvenes Realizadores」（若手監督たち）という名称で設立されましたが、形式の進化にもかかわらず、映画制作を支援するという当初の使命を堅持しています。

祝賀行事の中心となるのは、スペイン映画界の著名な功労者たちへの敬意を表する催しです。特に、俳優のペドロ・カサブランカ、ペペ・ロレンテ、ハビエル・ペレイラ、そして女優のアントニア・サン・フアンとマルタ・ベルモンテが特別に表彰されます。また、巨匠監督たちの功績も称えられ、マヌエル・グティエレス・アラゴン監督には権威ある「アウグスト・サラゴサ市賞」が贈られます。この画期的なイベントの詳細は、ホセ・ルイス・アルチェレルゲス（愛称「アーチ」）映画祭ディレクターと、サラ・フェルナンデス文化・教育・観光評議員によって発表されました。

11月20日のオープニングセレモニーでは、ピラール・ミロ監督の1996年の傑作『犬の植木屋（El perro del hortelano）』が上映され、祭典の幕が開きます。これは、この偉大な監督の晩年の作品の一つです。ロペ・デ・ベガのコメディを映画化したこの作品は、最優秀監督賞と最優秀女優賞を含む7つのゴヤ賞を受賞しています。「Zaragoza Industry Film」部門では、モイセス・サラマ監督による70分のドキュメンタリー『No sea tu falta』のスペインプレミアが行われ、その後、監督との質疑応答が予定されています。

第30回記念祭の閉幕は、11月29日、アウディトリオの「モーツァルト」ホールで予定されている授賞式です。ジャーナリストのモイセス・ロドリゲスが司会を務めるこのクロージング・ガラへの入場は、満席になるまで無料です。コンペティション部門の短編映画の上映は、11月21日から25日にかけてサラゴサ・シネマテカで行われ、一般の人々が選ばれた作品群に触れる機会を提供します。このように、FCZは30年目を迎え、遺産と新たなプロジェクトを結びつけ、スペインの文化生活における積極的な参加者としての地位を再確認しています。