ポルトガル国内で唯一、コメディジャンルに完全に特化した映画祭である第4回HaHaArt映画祭が、ポンバル市で開催されています。このイベントは、Cineclube de Pombalが主催し、ポンバル市役所の支援を受けており、10月27日まで続きます。本映画祭は、一般的な映画界の状況において、しばしば他のジャンルの影に隠れてしまいがちなコメディというジャンルの、芸術的かつ批評的な重要性を確立することを主眼としています。
映画祭の公式コンペティション部門には、17カ国から選出された34本の短編映画が並び、その世界的な広がりとジャンルの多様性を示しています。選考された作品群の中には、鋭い社会風刺やシュールな探求を試みたものが含まれており、特にフランス映画の貢献が目立っています。また、主要なコンペティションとは別に、特別な上映プログラムも設けられています。例えば、「Midnight Madness」(真夜中の狂気)セクションは、成人向けの最も刺激的で挑発的な作品を対象とし、「Azoresploitation」セクションでは、アゾレス諸島の文化をコメディの視点から捉えた作品が提供されます。
映画祭のオープニングを飾ったのは、アマーリア・ウルマン監督の『Magic Farm』のポルトガル国内プレミア上映でした。クロエ・セヴィニーが主演を務めるこの作品は、ブラックユーモアと社会批判を見事に融合させています。そして、映画祭の最終上映作品として予定されているのは、エンリケ・ブレオ監督のトラジコメディ『Bodegón con fantasmas』であり、メランコリーと不条理の衝突を深く探求する内容となっています。さらに、今年は初めて「Jornadas da Comédia」(コメディの日々)というフォーラムが開催されています。これは、制作者、専門家、学生が意見交換を行う場であり、イベントの分析的な側面を強化する役割を果たしています。
Cineclube de Pombalの主催者側は、これまでの3回の開催を通じて、34カ国から集まった約200本の映画を紹介し、4大陸の映画制作者を迎え入れてきたと説明しています。HaHaArt映画祭は、ポルトガルの映画祭運動の中で独自のニッチを占めています。例えば、1981年からファンタジーに焦点を当ててきたポルトのFantasportoのような他の主要な映画祭とは一線を画しています。上映はすべてTeatro-Cine de Pombalで行われており、チケットはオンラインおよび窓口で購入が可能です。
