パプアニューギニアは、第98回アカデミー賞の国際長編映画賞部門に、同国初の出品となる「パパ・ブカ」を正式に提出しました。この歴史的なエントリーは、パプアニューギニアが独立50周年を迎える2025年という記念すべき年に重なります。
インドのビジュクマール・ダモダラン博士が監督を務める「パパ・ブカ」は、第二次世界大戦中にパプアニューギニアで犠牲となったインド兵の知られざる物語を、退役軍人の視点を通して描いています。この映画は、両国の歴史的なつながりと、戦争という過酷な状況下で育まれた人間性を探求します。
本作は、パプアニューギニアのNAFAプロダクションズとインドのニールム・プロダクションズ、シリコン・メディアが共同製作しました。パプアニューギニアの部族指導者サイン・ボボロ氏、インドの俳優リタバリ・チャクラボルティ氏とプラカシュ・バレー氏が出演し、音楽は3度のグラミー賞受賞者であるリッキー・ケイ氏が担当しています。
パプアニューギニアでの公開は2025年9月19日に予定されており、国際映画祭への出品やアカデミー賞に向けたキャンペーンが期待されています。この初のオスカーエントリーは、パプアニューギニアとインドの文化交流および映画製作における協力関係の進展を示すものです。
リッキー・ケイ氏は、グラミー賞を3度受賞した著名な音楽作曲家であり、環境活動家としても知られています。彼の音楽は、インドとパプアニューギニアの歴史的なつながりを音楽で表現し、映画に深みを与えています。第二次世界大戦中、パプアニューギニアでは約3,000人のインド兵が捕虜となり、過酷な状況で多くの命が失われました。この映画は、そのような知られざる犠牲と、両国間に存在する人間的な絆に光を当てています。
パプアニューギニアは2025年9月16日に独立50周年を迎えます。この記念すべき年に、同国初のオスカーエントリー作品として「パパ・ブカ」が選ばれたことは、国の文化的なアイデンティティと国際的な舞台での存在感を高める上で、非常に象徴的な意味を持っています。この映画は、パプアニューギニアの豊かな文化遺産と、世界との新たなつながりを築く可能性を示唆しています。