スペインのアカデミー賞選考委員会は、2026年の第98回アカデミー賞国際長編映画賞への出品を目指す3作品を発表しました。カルラ・シモン監督の『ロメリア』、オリバー・ラクス監督の『シラト』、エヴァ・リベルタ監督の『ソルダ』が、応募総数57作品の中から選ばれました。
特に注目を集めているのは、2025年のカンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞した『シラト』です。同作のプロデューサー陣は、アカデミー会員の心に響くような、時代に即したテーマとアクセシビリティの高さを強調しています。アメリカでの配給を手掛けるネオンは、オスカーキャンペーンでの豊富な実績を持つ配給会社であり、有力候補と目されています。
オリバー・ラクス監督は、『シラト』が観客との繋がりを目指し、アメリカの批評家からも好意的な評価を得ていることに喜びを表明しています。彼は、アメリカの観客が感動的な映画体験を受け入れる土壌があると信じています。スペインの最終的な出品作品は、2025年9月17日に発表される予定です。
スペイン映画界は、オスカーへの道のりで常に熱意を示してきました。過去には、ペドロ・アルモドバル監督の『オール・アバウト・マイ・マザー』や『トーク・トゥ・ハー』などがオスカーを獲得し、スペイン映画の国際的な評価を高めてきました。今回の候補作品も、それぞれが独自の視点と芸術性で、スペイン映画の新たな地平を切り開く可能性を秘めています。
『ロメリア』は、カルラ・シモン監督が自身の家族の記憶を辿るパーソナルな作品であり、カンヌ国際映画祭ではパルム・ドールを争いました。一方、『ソルダ』は、聴覚障がいを持つカップルとその家族の物語を描き、社会的なテーマを扱っています。これらの作品が、スペインの多様な映画製作の現状を映し出しています。
アカデミー賞への道のりは、各国の映画産業にとって重要な機会となります。これらのスペインの候補作品が、国際的な舞台でどのような評価を受けるのか、そして最終的にどの作品がオスカー像を手にすることになるのか、世界中の映画ファンが注目しています。ネオンのような配給会社の戦略的なキャンペーンも、作品の認知度向上に大きく貢献するでしょう。スペイン映画界の今後の展開から目が離せません。