「エンドの果てに」、ブカレスト国際映画祭でルーマニア初上映

編集者: Anulyazolotko Anulyazolotko

パブロ・セサール監督の映画「エンドの果てに」が、第21回ブカレスト国際映画祭(BIFF)2025でルーマニア国内初上映されることが決定しました。本作はパノラマ部門で上映され、芸術、記憶、そして生のはかなさを繊細に探求した作品として、ルーマニアの観客に提供されます。

「エンドの果てに」は、86歳になるアルゼンチンの芸術家グロリアが、老いと病に直面しながら自身の人生を振り返る物語です。彼女の語りは、愛、トラウマ、喪失、そして芸術の変革的な力についての、優しく明晰な告白として展開されます。グロリアは、創造性を生き残り抵抗の手段として用いた世代の象徴として描かれています。画家、作家、キュレーターであるルサ・フェルナンデス・デ・カスティージョの人生に触発された本作は、ホルヘ・ルイス・ボルヘスやフェデリコ・ガルシア・ロルカの作品への賛辞でもあります。芸術をセラピー、闘争、解放の瞑想として提示しており、監督パブロ・セサールのキャリアにおける新たな段階を示しています。

BIFF 2025は2025年9月19日から28日まで開催され、国際的な映画が国内初上映されます。「エンドの果てに」の上映後には、監督のパブロ・セサール、主演女優のルサ・フェルナンデス・デ・カスティージョ、編集技師のリリアナ・ナダルを招いたQ&Aセッションが予定されています。アルゼンチン映画界は21世紀に入り、その独自性を確立してきました。特に、軍事政権(1976年~1983年)の遺産や、社会に深く根差した階級格差を探求する作品が多く見られます。セサール監督は、アフリカ、インド、ラテンアメリカの文化的視点を映し出すユニークなアプローチで国際的に知られており、「エンドの果てに」は、一人の女性の経験を通して集団的な記憶を映し出すと同時に、死を生の創造行為として瞑想する作品となっています。本作は、マル・デル・プラタ、グラナダ、コルカタ、ビアリッツ、ニューデリーのセルバンテス文化センターなど、数々の映画祭で注目を集めており、BIFFでの上映は、その国際的な評価をさらに高めることでしょう。ボルヘスとガルシア・ロルカといった文学へのオマージュは、芸術が持つ癒し、闘争、そして解放の力を浮き彫りにしています。アルゼンチン映画は、過去のトラウマを再構築し、未来を再想像する新たな方法を示しており、「エンドの果てに」もまた、その流れを汲む作品と言えます。

ソース元

  • Stiri pe surse

  • Romania Journal

  • Festivalul Internațional de Film București

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