「ベレン」、アルゼンチン代表としてオスカーとゴヤ賞へ

編集者: Anulyazolotko Anulyazolotko

ドロレス・フォンツィ監督・主演の映画「ベレン」が、国際長編映画部門で2026年のアカデミー賞とゴヤ賞にアルゼンチン代表として選出されました。

この映画は、流産後に嬰児殺しの罪で告発されたトゥクマン出身の若い女性、フリエッタの物語を描いています。フォンツィは、フリエッタを弁護し、司法制度の欠陥を指摘して、アルゼンチンにおけるリプロダクティブ・ライツ(性と生殖に関する権利)のための運動を巻き起こした弁護士、ソレダ・デサを演じています。2025年9月18日にアルゼンチンで公開された「ベレン」は、社会正義と女性の権利に焦点を当てたことで称賛を集め、AFIラテンアメリカ映画祭のクロージング作品としても上映されました。この作品は、2014年にトゥクマンで実際に起こった事件に基づいています。当時、アルゼンチンでは中絶が違法であり、流産を経験した女性が、その事実を隠蔽しようとしたとして殺人罪で逮捕・投獄されました。この事件は、後にアルゼンチンにおける中絶合法化運動の象徴的な出来事となりました。

フォンツィ監督は、この映画が単なるフェミニスト映画ではなく、不正義や制度的な抑圧といった普遍的なテーマを扱っていると述べています。彼女自身も弁護士ソレダ・デサ役を演じ、この映画はフォンツィ監督にとって2作目の長編作品となります。脚本は、フォンツィ監督と女優で劇作家のラウラ・パレデスが共同で執筆しました。

「ベレン」は、2026年のアカデミー賞国際長編映画部門、およびゴヤ賞のイベロアメリカ映画部門への出品が決まっています。この選出は、アルゼンチン映画界にとって重要な出来事であり、社会正義と女性の権利に関する議論をさらに深めることが期待されています。この映画は、サン・セバスティアン国際映画祭でも上映され、観客と批評家から高い評価を得ました。アルゼンチンでは、2020年12月に中絶が合法化されましたが、この映画は、その法改正に至るまでの道のりにおける重要な一歩となった事件を描いています。この作品は、社会正義と女性の権利を巡るアルゼンチンの闘いを浮き彫りにし、国際的な注目を集めています。

ソース元

  • Todo Noticias

  • Infobae

  • IMDb

  • Buenos Aires Herald

  • American Film Institute

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