フランスのファッションデザイナー、サイモン・ポート・ジャックムスが、ナイキの象徴的な「ムーンシュー」を現代的に再構築し、新たな息吹を吹き込みました。このコラボレーションは、ナイキのスポーツにおける伝統と、ジャックムスの洗練されたパリのエスプリを見事に融合させています。オリジナルのムーンシューは、1972年にナイキの共同創業者であるビル・バウワーマンによって、その革新的なワッフルソールが特徴として生み出されました。このシューズは、当時のランニングシューズの概念を覆し、月面着陸の足跡に似たユニークなソールパターンから「ムーンシュー」と名付けられました。
今回再構築されたデザインは、洗練されたロープロファイルシルエットを持ち、現代的な要素とオリジナルのレーシングにインスパイアされた美学を統合しています。アッパーにはギャザー加工されたナイロン素材が使用され、アウトソールにはNike Grindを採用。これは、ジャックムスのデザイン哲学とナイキのスポーツヘリテージの調和を象徴しています。このシューズは、ミニマリストでありながらも詩的、そしてジェンダーレスなデザインが特徴で、サイモン・ポート・ジャックムスの美学と、俳優ニコラス・アレクサンダー・チャベスの持つタイムレスな魅力を体現しています。
この注目のコラボレーションは、3つのカラーウェイで展開されます。「アラバスター」、「オフノワール」、そして「ユニバーシティレッド」です。先行発売は2025年9月29日にジャックムスのブティックおよびオンラインプラットフォーム限定で行われ、その後、2025年10月6日にはNike SNKRSおよび一部のナイキ直営店を通じて、より広範なグローバルリリースが予定されています。
この特別なコレクションのキャンペーンには、俳優のニコラス・アレクサンダー・チャベスが起用されており、アスリートとしての実力とハイファッションの融合を象徴しています。オリジナルのムーンシューは、その歴史的価値も高く評価されており、1971年製のペアはオークションで437,500ドル(約6,500万円相当)という驚異的な価格で落札されたこともあります。この事実は、ムーンシューが単なるスニーカー以上の、コレクターズアイテムとしての価値を持っていることを示しています。ジャックムスは、ナイキのアーカイブを探索する中で、このミニマルで時代を超越したデザインに魅了され、新たな物語を創造する機会を見出したと語っています。この再解釈は、過去の革新と現代的なスタイルを結びつける試みであり、ファッションとスポーツの境界を曖昧にする、新たなアイコンの誕生を予感させます。ナイキとジャックムスのパートナーシップは、エアマックス1、Jフォース1、エアフマラに続く4度目のフットウェアコラボレーションとなり、両ブランドの継続的なクリエイティブな関係性を物語っています。