アシックスとフィダン・ノヴルゾヴァが限定コレクション「GEL-CUMULUS 16」を発表

編集者: Екатерина С.

字幕: fidannovruzova.com

スポーツウェアの巨大企業アシックスと、モルドバ出身のデザイナーであるフィダン・ノヴルゾヴァ氏が、「Crafts for Mind(心のための工芸)」プログラムの一環として共同制作を完了させました。このコラボレーションでは、アシックスの象徴的なランニングシューズモデルであるGEL-CUMULUS™ 16が、独創的な再解釈を経て生まれ変わりました。この限定コレクションは、2025年9月29日から10月7日まで開催されたパリ・ファッションウィークにおいて、フィダン・ノヴルゾヴァの2026年春夏コレクションのランウェイで初めて公開されました。このプロジェクトは、アシックスが長年培ってきたスポーツ技術の専門知識と、ノヴルゾヴァ氏特有の洗練された素材選定、そして細部にまでこだわった緻密な職人技とが見事に融合した結果と言えます。

彫刻的な美学で知られるフィダン・ノヴルゾヴァ氏は、単なるランニングシューズであったGEL-CUMULUS 16を、身に纏うことのできる芸術作品へと昇華させました。彼女は、自身のアクセサリーラインで使用しているものと同等の、非常に高品質なレザーを採用することで、このモデルに新たな命を吹き込みました。この素材の選択は、スポーツシューズの機能性だけでなく、ラグジュアリーなファッションアイテムとしての価値を付加しています。

このデザインにおける変革の核となる要素は、シュータン部分にあります。スクエアフォールド(四角く折りたたむ)技術を用いて作られたシュータンには、大きなレザーのタッセル(房飾り)が取り付けられており、これが靴紐の一部を覆い隠す構造となっています。この独創的なディテールは、モカシンやアール・デコ様式といった伝統的な靴のモチーフからインスピレーションを得ており、過去の美意識と現代のスポーツウェアを繋ぐ架け橋となっています。

この特別なエディションは、その希少性も特徴の一つです。全て手作業で製作されており、世界限定わずか100足のみが提供されます。カラーバリエーションは、深みのあるモノクロームの2色展開です。「ブラック(Black)」と「ダークチェリー(Dark Cherry)」という、落ち着いた色調が用意されています。特筆すべきは、デザインが大幅に変更されているにもかかわらず、GEL-CUMULUSが持つ基本的なクッション構造と快適性はそのまま維持されている点です。

さらに、このコラボレーションは社会貢献の側面も持ち合わせています。販売収益の一部は、「Fondation pour la Recherche sur l'Endométriose(子宮内膜症研究財団)」への支援として寄付される予定です。ファッションとスポーツ、そして社会的な意識が一体となったこのプロジェクトは、単なる限定スニーカーの発売以上の意義を持っています。

ソース元

  • GQ Germany

  • SELECTA BISSO

  • Hypebeast

  • Hypebae

  • Design Scene

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