エルメスのバーキンとケリー:単なる贅沢品から投資資産へ
作者: Екатерина С.
フランスのファッションハウス、エルメスが誇る伝説的なバッグ「バーキン」と「ケリー」は、単なる高級品という枠を超え、高収益を生む投資資産としての地位を確固たるものにしました。高級品への投資を専門とする企業Luxusは、これら二つのモデルを資産とする本格的な投資ファンドを立ち上げました。このファンドは、希少品の探索と転売を一手に引き受けます。投資家は最低10,000スイスフランを拠出することで、転売による配当を受け取ることができます。物理的な現物資産であるバッグは、温度や湿度管理、セキュリティ確保といった特別な保管条件が必要ですが、これらもすべてファンド側が責任を持って対応します。
これらのバッグが投資対象として魅力的な主要因は、供給の限定性と職人の手作業による生産体制にあります。エルメスは毎年、これらのバッグを極めて少量しか製造しません。この意図的な供給制限が、購入希望者の間で数年にわたるウェイティングリストを生み出しています。また、エルメスから直接バッグを入手するためには、ブティックとの長期的な信頼関係を築くことがしばしば求められます。
専門家の推計によると、バーキン購入者の約25%は、純粋に投資目的で購入しているとされています。セカンダリーマーケットにおいて、これらのバッグは平均して年間5パーセントの安定した価値上昇を示しています。OpenLuxuryの創設者ジェームズ・ファイアステイン氏は、過去10年間で見ると、バーキンとケリーの転売価値は金の収益率を上回ったと指摘しています。新型コロナウイルスのパンデミックにより高級品市場が減速した2020年でさえ、バーキンは38%という驚異的な利益率を記録しました。ナイト・フランク高級投資指数(Knight Frank Luxury Investment Index)によれば、バーキンバッグの収益率は5年間で+34%、10年間では+85.5%に達しています。
セカンダリーマーケットでの価格設定は、製品の状態に大きく左右されます。「完璧な状態」(pristine)のバッグは、元の購入価格よりも20%高い価格をもたらす可能性があり、「非常に良い状態」(excellent)であれば、元の価格の最大100%増しで取引されることもあります。例えば、2024年における「Black Togo 30」モデルの転売プラットフォームでの価格は、Sotheby'sで30,500ドルから変動していました。さらに、ダイヤモンドがあしらわれた「ヒマラヤ・バーキン 30」のような希少な逸品は、450,000ドルという高値に達しています。ちなみに、ブティックでの新品のバーキンバッグの開始価格は約12,000ドル程度です。
エルメスが毎年小売価格を見直すことも、投資意欲を刺激する要因となっています。2023年には、価格改定幅は5%から10%の範囲でした。2024年の米国における価格上昇率は3.7%から9.6%と幅がありました。そして、2025年初頭のヨーロッパでの新価格は、3%から8.4%の範囲で上昇を示しました。このように、定価自体が上昇し続ける傾向にあるため、投資家にとって魅力的な資産となっています。
Luxusファンドの第一弾は大きな話題を呼び、わずか43日間で34パーセントの利益を達成しました。この実績は、バーキンやケリーの投資資産としてのポテンシャルを明確に示しています。総合的に見て、誰もが欲しがるバーキンやケリーを手に入れることは、今や単なるファッションの選択ではなく、投資ポートフォリオの分散化(ダイバーシフィケーション)として捉えることができるでしょう。
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