2025年10月8日、インドのナレンドラ・モディ首相は、ナビ・ムンバイ国際空港（NMIA）の第1期工事の開港式典を華々しく執り行いました。この空港は、インド国内で初めて完全なデジタル化を実現した施設であり、その運用開始は2025年12月に予定されています。この画期的な出来事は、インドのインフラ開発における新たな一歩を示すものです。
ナビ・ムンバイ国際空港は、著名な建築事務所であるザハ・ハディド・アーキテクツ（ZHA）によって設計されました。NMIAは、インド初の完全デジタル空港となるだけでなく、そのユニークなデザインと高度なエンジニアリングソリューションが国内全体から注目を集めています。
このプロジェクトは、2018年の国際コンペティションで国際的な評価を獲得し、ZHAが手掛ける世界でも有数の大規模プロジェクトの一つとなりました。ターミナルのデザインは、インドの伝統文化から深いインスピレーションを得ており、国の色彩と現代性が融合しています。
建築コンセプトは、インドの文化的象徴である蓮の花の形を単なる装飾要素としてではなく、建物の構造的基盤として解釈し、具現化しています。建築設計は、大胆な構造ソリューションと伝統的なインドのモチーフへの象徴的な言及を通じて、美学と機能性を両立させています。
屋根の同心円状に配置された花びら状の要素は、ターミナル内部の空間的な動きを生み出すだけでなく、最適な自然光の配分を保証し、乗客の空港内での方向感覚を助けます。さらに、約400メートルに及ぶ屋根構造を支える主要な荷重は、隠されたメガコラムによって担われています。
また、このターミナルには最新鋭のインフラが完備されています。これには、自動チェックインシステム、高度なナビゲーションシステム、フライトサービスシステムなどが含まれます。これらのデジタル技術の導入により、乗客体験の向上と効率的な空港運営が期待されています。
ナビ・ムンバイ国際空港の第1期開港は、都市の交通アクセスを大幅に改善し、観光業やビジネスの発展に大きく貢献すると見込まれています。これにより、ムンバイはロンドン、ニューヨーク、東京といった、二つの主要な国際空港を持つ世界の主要都市の仲間入りを果たすことになります。