第26回BRICK AWARDは、世界21カ国から選ばれた50の注目すべきレンガ建築プロジェクトを発表しました。この権威ある隔年アワードは、革新的で持続可能なレンガ建築の可能性を世界的に称賛しています。授賞式は2026年6月11日にウィーンで開催されます。
今回のショートリストには、住宅、集合住宅、商業施設、公共スペース、実験的なデザインまで、多岐にわたるカテゴリーのプロジェクトが含まれています。特筆すべきは、イランのシャファグ霊廟(Shafagh Tomb)です。このプロジェクトは、プライベートな空間を公共のモニュメントへと昇華させる逆ドーム構造が特徴です。また、バングラデシュのアガ・カーン・アカデミー・ダッカは、密集した都市環境の中に緑豊かな屋外空間を提供する設計が高く評価されています。アガ・カーン・アカデミー・ダッカは、EDGE認証を取得し、バングラデシュで初めてこの権威あるエネルギー効率と環境持続可能性の賞を受賞しました。
持続可能性への取り組みも際立っています。インドのメタリック・ベローズ工場オフィス(Metallic Bellows Factory Office)は、コンクリート使用量を削減しCO2排出量を最小限に抑える設計により、環境負荷の低減に貢献しています。中国のUCCAクレイミュージアムは、建築家隈研吾氏によるデザインで、手作りのセラミックタイルで覆われた特徴的な屋根が、近くの山々を連想させます。このプロジェクトは、宜興(Yixing)の数千年にわたる陶磁器の遺産に敬意を表し、この地域を国際的な陶芸芸術の中心地として復活させる触媒としての役割も果たしています。このプロジェクトは、地域固有の陶芸文化と現代芸術を結びつける試みであり、地域社会の参加を促す工夫も凝らされています。
さらに、アメリカ、ニューヨークの64ユニバーシティプレイス(64 University Place)は、歴史的なグリニッジ・ビレッジの景観に調和しながら、現代的な住居としての機能性を追求した手積みレンガ造りのファサードが特徴です。Kohn Pedersen Foxによって設計されたその建築は、伝統的なレンガ積みとアーチ窓を使用し、グリニッジ・ビレッジの建築様式に敬意を表しつつ、エネルギー効率を高め、快適な居住空間を創出するための現代的なソリューションを導入しています。また、輸送排出量を削減するため、ペンシルベニア州で採掘されたレンガが建設に使用されたことも言及されています。第26回BRICK AWARDは、レンガという素材の創造的かつ生態学的な利点を奨励し、世界中の未来志向の建築ソリューションにインスピレーションを与え続けています。Wienerbergerは2004年からこの賞を主催しており、独立したアワードとして、革新性、持続可能性、そして建築の質を評価しています。