最近の研究により、卵巣の近くにある細管のネットワークである卵巣網(RO)が、女性生殖系において重要な役割を果たしていることが示唆されています。かつては痕跡器官と考えられていたROですが、マウスを使った新たな研究では、ROが卵巣の環境を積極的にサポートし、ホルモン機能を持っている可能性があることが示されています。
ROは、血管と神経が卵巣に入る場所に位置しています。哺乳類全体で同様の形態をしていることから、その重要性が示唆されます。ミシガン大学の研究者らは、マウスを使った実験を行い、ROの発達を観察し、成体の標本における組織を分析しました。
解剖学者のアダム・テイラーは、「卵巣網は、卵巣の内部環境の安定性を維持し、ホルモン的な役割さえ果たす可能性がある」と示唆しています。これらの発見は、内分泌調節と生殖の健康におけるROの機能を理解することで、新しい婦人科疾患の治療につながる可能性があります。この研究は、eLife誌に掲載されました。