熱帯低気圧ウィルマ、東サマル州沖に停滞し警報継続、ビサヤ諸島に豪雨の影響

2025年12月6日土曜日の夕方現在、熱帯低気圧ウィルマは東サマル州カナビッド近郊の沿岸海域で勢力を維持している。フィリピン気象庁（PAGASA）の観測によると、この気象システムは最大持続風速45キロメートル毎時、最大瞬間風速55キロメートル毎時を記録し、ほぼ定常的な動きを示している。ウィルマは12月3日にフィリピンの予報区域（PAR）に入り、当初は12月5日から7日にかけてビサヤ諸島およびルソン島を通過すると予測されていた。

ウィルマの予報経路は、12月6日午後から夕方にかけて東サマル州または北サマル州に上陸する可能性があり、その後12月7日にかけてビサヤ諸島を横断する見込みであった。しかし、この低気圧は、現地で「アミハン」として知られる北東モンスーンとの相互作用により、残存低気圧へと勢力を弱める見通しである。東サマル州の気候統計によれば、12月は年間で最も降水量が多い月の一つであり、この時期の気象現象は地域社会に大きな影響を及ぼす。

現在、ビサヤ諸島のかなりの部分と、ミマロパおよびビコル地方の一部地域には熱帯低気圧風警報番号1が引き続き発令されている。特にソルソゴン州、マスバテ州、ロムブロム州では激しい降雨が観測されており、長期間の降雨に見舞われている地域では洪水や地滑りの懸念が高まっている。過去のデータでは、東サマル州の年間平均湿度は91.77%と高く、降雨の多い日も多いため、今回の豪雨による影響の深刻化が懸念される。

フィリピンは毎年多数の熱帯低気圧の影響を受けるため、事前の防災対策が住民の安全確保に不可欠であると認識されている。過去に大きな災害を経験したアルバイ州のような地域では、州政府が災害リスク削減管理協議会を通じて警戒態勢を強化する措置を講じている。PAGASAは、大雨の影響を受けやすい地域に対し、洪水や地滑りへの注意を促し、必要に応じた外出自粛を勧告している。

ウィルマの接近は、12月5日からフィリピン東部地域、特にビコル、東ビサヤス、ミンダナオ地域で降雨をもたらすと予測されていた。定常的な動きを見せるウィルマは、ビサヤ諸島全域にわたる広範な影響を及ぼし続けており、地域社会は気象当局からの最新情報の収集と、定められた避難指示の厳格な順守が求められている。この状況は、フィリピンにおける継続的な気象監視体制の重要性を改めて示している。