ポルトガルは今夏、記録的な山火事に見舞われ、これまでに216,000ヘクタール以上の森林が焼失しました。これは2024年の同時期と比較して2倍以上の面積にあたり、火災活動の激化を示しています。
この壊滅的な山火事により、少なくとも2名の命が失われました。元市長のカルロス・ダマソ氏は、自身の地域で発生した火災鎮圧中に亡くなり、消防士のダニエル・ベルナルド・アグレロ氏は火災現場へ向かう途中の交通事故で悲劇的な死を遂げました。これらの出来事は、最前線で活動する人々が直面する極めて危険な状況を浮き彫りにしています。
現在、約2,600人の消防士が20機の航空機の支援を受け、広範囲にわたる火災の鎮圧にあたっています。欧州連合(EU)市民保護メカニズムが発動され、国内の取り組みを強化するためにスウェーデンとモロッコから航空資源が派遣されています。2025年の山火事シーズンにおいて、EU市民保護メカニズムは既に16回発動されており、これは2024年通年での発動回数に匹敵します。スペインも初めてこのメカニズムを発動し、フランスから配備されていた2機のrescEU航空機が派遣される予定です。ギリシャも8月12日にメカニズムを発動し、ブルガリアに配備されていたスウェーデンのrescEU航空機2機が支援に当たっています。チェコ、モルドバ、ルーマニアからの消防隊員も消火活動に参加しています。
ポルトガルでは、8月19日時点で5件の大規模な山火事が発生しており、2,700人以上の消防士、902台の地上車両、そして少なくとも35機の航空機が投入されています。これらの火災は主に北部と中央部で発生しており、スペインのガリシア州から越境したことで、さらなる延焼への懸念が高まっています。火災の規模により、グアルダ、カステロ・ブランコ、コインブラ、ヴィアナ・ド・カステロなどの地域で8つの国道が閉鎖されています。
今回の山火事は、気候変動と環境要因に関連する山火事の頻度と激しさが増していることを痛感させられます。緊急対応要員は、高温と強風という困難な状況下で消火活動を行っており、状況は依然として予断を許しません。地域社会の協力と警戒が、この危機を乗り越える上で不可欠です。