パキスタン、カラチでは、激しいモンスーン豪雨により、広範囲で都市型洪水が発生しています。パキスタン気象局(PMD)は、今後48時間を「危機的」な期間と位置づけ、市全域に警報を発令しました。火曜日、8月19日の早朝から降り始めた大雨は、主要な幹線道路を水浸しにし、深刻な交通渋滞を引き起こしました。ランディ、マリル、クイアバードなどの地域では、住宅地にまで浸水被害が報告されています。特にマリールやノースカラチでは、水かさが約1.2メートルに達し、住民は車を放棄して水の中を歩かなければなりませんでした。シャハラエファイサル、ユニバーシティロード、IIチュンドリガルロードなどの主要道路では交通が完全に麻痺し、多くの車両が立ち往生しました。
気象アナリストによると、インドのオリッサ州沖で発達中の低気圧が、8月23日までシンド州、カラチを含む地域に影響を与える見込みです。このシステムは、不十分な排水システムと進行中のインフラ工事により、都市型洪水の危険性を高める中程度から激しい雨をもたらすと予想されています。PMDの発表によると、カラチ空港では125mm、グリスタン・エ・ジャウハルでは122mmの降雨量が記録されました。
この状況を受け、カラチ市長は市内に「雨の緊急事態」を宣言し、関係部署の休暇をすべて取り消し、緊急対応体制を敷きました。シンド州首相も、関係部署に対し、モンスーン豪雨への準備を万全にするよう指示し、排水システムとインフラの監視強化を命じました。過去の教訓から、2022年の壊滅的な洪水と同様の状況が懸念されています。
この気象現象は、気候変動の影響と都市化によるインフラの脆弱性を浮き彫りにしています。当局は、市民に対し、雷雨時には自宅に留まり、緊急時以外の電話の使用を控え、電柱やフェンス、木から離れるよう呼びかけています。また、未完了の道路工事が状況を悪化させており、リアクアタバードでは開いたままの汚水溝が雨水で満たされ、車両が閉じ込められる事態も発生しています。