フランス南部のオード県で大規模な山火事が発生し、16,000ヘクタール以上の森林が焼失しました。これは、記録が残る中で約80年ぶりの最悪規模の被害となっています。火災は急速に拡大し、少なくとも25棟の家屋が焼失、2つのキャンプ場が閉鎖され、約500人が避難しました。また、約2,500世帯が停電の影響を受けています。
現在、約2,000人の消防士が消火活動にあたっており、火災の進行速度は時速5.5キロメートルに達しています。フランス首相は、この状況を「前例のない大惨事」と表現し、地球温暖化と干ばつが原因であると指摘しました。この火災により、フランスとスペインを結ぶ主要な高速道路であるA9号線の一部区間が一時的に閉鎖される事態も発生しました。専門家は、気候変動が熱波や乾燥の頻度と強度を悪化させ、地域を山火事に対してより脆弱にしていると警告しています。過去の記録では、1949年にランド県で発生した山火事が50,000ヘクタールを焼き、82人の犠牲者を出したことがありますが、今回のオード県の火災は、その規模と破壊力において匹敵するものとなっています。当局は、火災の原因を調査中であり、人間の活動が関与した可能性も指摘されています。