米国国立公文書館は2025年9月19日、ロズウェル事件に関する約22分間の映像を公開しました。この映像は「ロズウェル事件:ニューメキシコ砂漠における事実と虚構」という書籍を紹介する形で始まり、視聴者からは「1947年のUFO墜落現場からの最初の写真ではないか」と指摘される画像が含まれています。映像には、残骸や非人間的な身体と思われるものが映し出されているとされています。
この映像の公開は、長年続くUFO論争に新たな火種を投じています。ロズウェル事件は、1947年7月7日にニューメキシコ州ロズウェル近郊で発生したとされる、墜落した物体とその回収を巡る出来事です。当初、アメリカ陸軍航空軍は「空飛ぶ円盤」を回収したと発表しましたが、後にこれは気象観測用気球であったと訂正しました。しかし、この公式発表は多くの懐疑論を生み、特に1980年に出版された「The Roswell Incident」以降、宇宙船の墜落と軍による隠蔽工作という陰謀論が広まりました。
1990年代に入ると、アメリカ空軍は一連の報告書を発表し、回収された物体はソ連の核実験を検知するための秘密プロジェクトであった「モーグル計画」に関連するものであると結論付けました。しかし、これらの報告もUFO支持者たちの間では受け入れられず、政府による隠蔽工作であるとの主張が続いています。
今回公開された映像に含まれるとされる画像について、視聴者からは「目撃者の証言と一致する」「1947年の実際のUFO墜落現場からの最初の写真ではないか」といった声が上がっています。また、映像に映る残骸や非人間的な身体とされるものについても、様々な憶測を呼んでいます。これらの要素は、事件当初から語られてきた「エイリアンの乗り物であり、軍によって隠蔽された」という説を補強するものだと考える人々もいます。
ロズウェル事件は、単なる過去の出来事ではなく、現代のポップカルチャーにも大きな影響を与えています。多くの書籍、ドキュメンタリー、映画、テレビドラマの題材となり、UFOや宇宙人に関する議論の中心であり続けています。ロズウェル市自体も、この事件を観光資源として活用しており、国際UFO博物館・研究所が開設されたり、毎年UFOフェスティバルが開催されたりしています。
国立公文書館による今回の映像公開は、この長年の謎に対する人々の関心を再び高めるものとなりました。公式な説明と、未だに多くの人々が信じる超常現象説との間の隔たりは、今後も議論の的となるでしょう。この映像が、事件の真相解明に新たな光を当てるのか、それとも更なる憶測を呼ぶだけなのか、注目が集まります。