メキシコ中部、メキシコシティの南東約70キロに位置し、標高5426メートルの活火山ポポカテペトル山の上空で最近観測された不可解な光の現象が、ソーシャルメディアで大きな話題となっています。この現象は、宇宙人や地球内部に存在する未知の文明(クリプトテレストリアル)の存在を示唆するのではないかという憶測を呼んでいます。
この現象は、プエブラ州ティアングイスナルコから撮影されたポポカテペトル山を捉えたタイムラプス動画で確認されました。わずか30秒に凝縮された30分間の映像には、山のシルエットを背景に、空を横切る複数の光が映し出されています。この動画は「Webcams de México」というX(旧Twitter)アカウントによって共有され、「これは何だろう? ポポカテペトル山の活動と、今夜の空に多くの光を。プエブラ州ティアングイスナルコからのライブビュー。あなたはどう思いますか?」というメッセージと共に投稿されました。
この投稿は様々な憶測を呼びました。一部のユーザーは、これらの光が地球外生命体の活動である可能性を示唆しましたが、より学術的な視点からは、ハーバード大学のティム・ラマス氏とブレンダン・ケース氏の研究が注目されています。彼らは、未確認航空現象(UAP)の一部は、地球内部に潜む非人間的な知性体、すなわち「クリプトテレストリアル」に関連している可能性を示唆する「クリプトテレストリアル仮説」を提唱しています。しかし、この仮説の妥当性は1対10パーセントと推定されており、現時点では科学的な証拠はありません。また、人工知能ツールの中には、この火山が「次元間ポータル」として機能する可能性を示唆するものもあります。
ポポカテペトル山は、メキシコで最も活発な火山の一つであり、過去にも奇妙な光や、火口に出入りする物体が目撃されたという報告が度々あります。この火山は、アステカの言葉で「煙を吐く山」を意味し、その活発な地質活動は古くから人々の関心を集めてきました。ポポカテペトル山は、2014年に活動を再開し、断続的な噴火を続けています。最近では、2023年5月には警戒レベルがフェーズ3に引き上げられ、2024年10月にもガスや灰の噴出が報告されています。
このような未確認現象に対する関心は現代においても衰えることはありません。特に、ポポカテペトル山のような活発な地質活動の場は、人々の想像力を掻き立て、科学的な探求と推測的な理論の両方を刺激し続けています。この現象が自然現象によるものなのか、あるいは未知の存在を示唆するものなのか、その解明が待たれます。