ブラジル、リオグランデ・ド・ノルテ州パルナミリン市にある、ギネス世界記録にも認定されている世界最大のカシューの木「カジュウエイロ・デ・ピランジ」の剪定作業が延期されることになりました。この巨木は約8,500平方メートルを誇り、地域の自然遺産として多くの人々を魅了しています。
当初予定されていた剪定作業は、木の成長が周辺の道路や住宅、地域経済に影響を与え始めていることから、司法の判断で実施される運びでした。しかし、木の開花期である8月から11月を考慮し、作業は2025年8月まで延期されることになりました。この決定は、木の生命サイクルへの理解と自然な営みを尊重する姿勢の表れです。
カジュウエイロ・デ・ピランジは、1888年に植樹されたと伝えられており、その異常な成長は遺伝子の特性に起因するとも言われています。枝が横向きに広がり、地面に触れた箇所から新たな根を張ることで、その広がりを続けています。その広さは平均的なカシューの木の約70倍にも達すると言われています。
この木は、年間約6万個以上のカシューナッツを生産するとも言われ、地域経済にも貢献しています。しかし、その成長の速さから、管理方法に関する住民との意見交換も行われています。今回の剪定延期は、自然との調和を重んじる地域社会の姿勢を示唆しており、この木がこれからも地域と共に生き続け、訪れる人々に生命の力強さと自然の神秘を感じさせてくれることが期待されています。