南アフリカの豊かな植物相に焦点を当てた包括的なガイドブック「南アフリカの在来庭園植物:ガーデナーズガイド」が、2025年3月に発売される予定です。
この大型判の書籍は、約2,400種もの南アフリカ固有の植物を紹介しており、ガーデナーや植物愛好家にとって貴重なリソースとなることが期待されています。本書は、気候や庭園スタイルを解説する導入部、生育形態別に分類された広範な植物カタログ、そして適切な種を選ぶための植物セレクターという3つの主要セクションで構成されています。各植物のエントリーには、フルカラーの写真と、サイズ、開花時期、生育条件に関する詳細な説明が添えられています。
本書の執筆には、植物学と園芸学の分野で長年の経験を持つ著名な専門家であるエルサ・プーリー氏、ジェフ・ニコルズ氏、アンドリュー・ハンキー氏が名を連ねています。プーリー氏は50年以上にわたり在来植物を用いた庭園のデザインと造園を手がけ、数多くのフィールドガイドの著者としても知られています。ニコルズ氏は、南アフリカ初の薬用植物園を開設した受賞歴のある園芸家であり、自然史家でもあります。ハンキー氏は、ウォルター・シスル国立植物園で31年にわたり主任園芸家として活躍し、約180編の論文や書籍を執筆し、約20の新種の命名にも関わっています。彼らの専門知識と情熱が結集された本書は、南アフリカの庭園植物の魅力を世界に伝えることを目指しています。
在来植物を庭に取り入れることは、美観を高めるだけでなく、環境保全にも大きく貢献します。これらの植物は現地の気候に適応しているため水の使用量を大幅に削減でき、乾燥にも強いためメンテナンスも容易です。また、在来植物は地元の野生生物、例えば鳥、昆虫、蝶などにとって重要な食料源や生息地を提供し、地域の生物多様性の維持に不可欠な役割を果たします。さらに、多くの在来種は病害虫への耐性が高く、化学薬品の使用を減らすことにもつながり、より持続可能なガーデニングの実践を促進します。
プーリー氏は、「私たち自身が使いたいと思うような、非常に使いやすい本です。テキストは短く、美しい写真がたくさんあり、実用的です。」と述べており、本書がガーデナーにとって実用的でインスピレーションを与えるツールとなることを強調しています。このガイドは、ガーデナー、園芸家、造園家、そして植物愛好家にとって、南アフリカのユニークな植物の世界を探求するための標準的な参考資料となるでしょう。ハードカバー版と電子書籍版は、ペンギン・ランダムハウス・サウスアフリカなどを通じて入手可能です。