夏時間よりも恒久標準時が健康に有益、スタンフォード大学の研究が示唆

編集者: Tetiana Martynovska 17

スタンフォード大学医学部の研究者による最新の研究によると、年に二度行われる夏時間(Daylight Saving Time, DST)への移行は、公衆衛生に悪影響を及ぼす可能性があり、恒久的な標準時を維持することが大多数の人々にとって健康上の利点をもたらすことが示唆されています。

この研究は、恒久標準時、恒久夏時間、そして現在の二度時を変更する制度の三つの時間政策の影響をモデル化し、恒久標準時または恒久夏時間のいずれかが現在の制度よりも健康に良いと結論づけました。中でも、恒久標準時が大多数の人々にとってより大きな恩恵をもたらすと結論づけられています。

私たちの体内にある約24時間周期の生体時計、すなわち概日リズムは、睡眠や代謝を調整する上で極めて重要な役割を果たしています。このリズムの乱れは、脳卒中や肥満といった健康問題と関連付けられています。研究チームは、恒久標準時を採用することで、米国全土で年間約30万件の脳卒中症例を防ぎ、肥満の有病率を0.78%削減できると推定しています。

研究を主導したジェイミー・ゼイザー教授は、健康的な概日リズムを維持するためには、朝の光を浴びることが不可欠であると強調しています。朝の光は概日リズムを早め、夜の光は遅らせる傾向があり、一般的に朝の光を多く浴びることが24時間周期への同調を助けます。夏時間の支持者は、夕方の明るさが増すことを利点として挙げることもありますが、過去の試みでは、冬の朝が暗くなることへの不満から制度が廃止された例もあります。

アメリカ睡眠医学会のような専門機関は、理論的な健康上の利点を理由に、一年中標準時を維持することを推奨しています。これは、夏時間への移行が概日リズムを乱し、睡眠不足やそれに伴う日中の眠気、認知機能の低下を引き起こす可能性があるという、多くの研究結果に裏打ちされています。実際、夏時間の開始直後には、自動車事故や緊急搬送、心臓発作、脳卒中の増加が報告されています。

研究では、個人のクロノタイプ、つまり朝型か夜型かといった生来の体内時計の特性や、地理的な位置も考慮されました。例えば、人口の約15%を占める早起きな人々は、自身の体内時計の周期が短いため、恒久夏時間からより大きな恩恵を受ける可能性があります。しかし、ゼイザー教授は、現代生活におけるシフトワークやスクリーンタイムの使用が、光への曝露に影響を与え、概日リズムを乱す可能性があることを指摘しています。多くの人々が屋外で過ごす時間が1日のわずか5%未満であるという事実は、どのような時間制度を採用したとしても、その恩恵を限定する要因となり得ます。

結論として、スタンフォード大学医学部の研究は、恒久標準時が人間の生物学的リズムにより適合しており、公衆衛生の向上に寄与する可能性を示すデータを提供しています。この知見は、私たちの生活リズムと健康との深い繋がりを再認識させ、より調和のとれた時間の使い方を模索するきっかけとなるでしょう。

ソース元

  • Earth.com

  • Study suggests most Americans would be healthier without daylight saving time

  • Four questions for Jamie Zeitzer on daylight saving time

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