NASAは、太陽系外の恒星を周回する惑星である系外惑星の確認数を6,000件に達したことを発表しました。これは、過去30年間にわたる宇宙探査の成果であり、系外惑星の発見ペースが著しく加速していることを示しています。現在、8,000件以上の系外惑星候補が確認待ちの状態にあります。
このマイルストーンは、NASAの宇宙望遠鏡による数十年にわたる探査の証であり、夜空に対する人類の認識を根本的に変え、地球外生命の存在の有無という問いに答える上で重要な一歩となります。カリフォルニア州パサデナにあるカリフォルニア工科大学(Caltech)のIPAC内NASA系外惑星科学研究所(NExScI)が、この公式な系外惑星の数を管理しています。
系外惑星探査の旅は1995年の最初の系外惑星発見から始まり、望遠鏡技術と検出方法の進歩により、発見のペースは加速しました。特に、2018年に打ち上げられたトランジット系外惑星探査衛星(TESS)は、多数の系外惑星を特定する上で重要な役割を果たしています。TESSは、これまでに638件の系外惑星を確認し、7,655件の候補を特定しています。
これらの発見は、惑星系の多様性や生命を育む可能性のある環境についての貴重な洞察を提供しています。K2-18 bのような惑星の大気圏の研究では、水蒸気、メタン、二酸化炭素といった主要元素の存在が明らかになっており、生命を支える条件の可能性を示唆しています。
NASAは、地球型岩石惑星を見つけ、生命の痕跡(バイオシグネチャー)がないか大気圏を分析するという使命を継続しています。将来のミッションであるナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡やハビタブル・ワールド・オブザーバトリーは、太陽のような恒星の周りを公転する地球型惑星の研究をさらに進める予定です。ローマン宇宙望遠鏡は、恒星の光を遮断して木星サイズの惑星を直接撮影するように設計されたローマン・コロナグラフを搭載し、ハビタブル・ワールド・オブザーバトリーは、地球型惑星の直接撮像に向けた重要なステップとなります。
ハビタブル・ワールド・オブザーバトリーは、地球型惑星の生命の兆候を探すために特別に設計された次世代の宇宙望遠鏡であり、地球に似た惑星を25個以上直接撮影し、その大気圏を分析して生命の痕跡を探すことを目指しています。この探査は、宇宙における生命の普遍性という根源的な問いに答えるための重要な一歩となります。