アレクサンドリア・トロアス古代都市:壮大な音楽堂と記念碑的なストアの発見

編集者: Tasha S Samsonova

アナトリアに位置する古代都市アレクサンドリア・トロアスでは、ヘレニズム時代からローマ時代にかけての重要な建造物が発掘されています。今シーズンの調査では、2,000~3,000人収容可能とされる音楽堂(オデオン)と、都市のアゴラ(広場)に接続する記念碑的なストア(柱廊)の解明に焦点が当てられています。

紀元前4世紀に設立され、後にローマ植民都市となったアレクサンドリア・トロアスは、エーゲ海沿岸の主要都市として栄えました。1世紀から4世紀にかけては人口約10万人に達し、その戦略的な立地と港は、花崗岩の柱の輸出などでローマ帝国において重要な役割を果たしました。13世紀に放棄されたこの都市は、エルハン・オズテペ教授率いるアンカラ大学のチームによって2011年からフォーラム地区を中心に発掘調査が行われています。

今回の調査で特に注目されているのは、これまで未調査であった音楽堂と記念碑的なストア複合体です。オデオンは、音楽や演劇の公演に使用された施設であり、保存状態の良い外壁が確認されています。座席部分である「カウエア」の解明が進められています。2006年にオデオン付近で発見された、皇帝ハドリアヌス帝時代の碑文には、ディオニュソス祭の祭りや賞に関する記述があり、当時の活気ある劇場文化を物語っています。

また、フォーラムへ続く北側の回廊からは、レスボス島出身の音楽家を称える記念碑が発見されました。像は失われていますが、その台座はアレクサンドリア・トロアスにおける芸術家への敬意を示しています。同時に、アゴラに連結する記念碑的な複合施設の発掘も進んでいます。これには、地下のヴォールト(円蓋)通路であるクリプトポルティクスを備えたストアが含まれ、都市の主要な東西通りであるデクマヌスに接続しています。このクリプトポルティクスは、崩落したヴォールトの石材に覆われており、その除去によってさらなる発掘が可能になると期待されています。昨年発見された出入り口からは、高さ約7メートルに及ぶ部屋が存在することが示唆されています。

アレクサンドリア・トロアスは、ローマ帝国においてローマと同等の税制上の優遇措置を受けるなど、特別な地位を享受していました。しかし、都市の大部分、特に居住区は未発掘のままです。これらの私有地となっているエリアの発掘は、ローマ人がギリシャの家屋の上に都市を建設したのか、あるいは新しい地区を創造したのか、またヘレニズム時代の家父長制の伝統がローマ時代に継続したのかといった、都市の発展に関する重要な疑問に答える鍵となります。

現在、発掘調査はフォーラム、音楽堂、アゴラ複合体に重点が置かれています。これらの発見は、古代都市の公共生活と文化の中心地の姿を明らかにし、アレクサンドリア・トロアスの豊かな歴史に新たな光を当てています。特に、音楽堂の発見は、この都市が単なる交易拠点ではなく、芸術と文化の中心地であったことを強く示唆しています。さらに、ストアの解明は、当時の商業活動や市民の交流の場としての役割を理解する上で不可欠です。

ソース元

  • Hurriyet Daily News

  • Hürriyet Daily News

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