ワイト島で新種の恐竜「イストイオラキス・マッカーシー」発見、帆のような背中が特徴

編集者: Olga Samsonova

古生物学者は、約1億2500万年前の白亜紀前期に生息していた新種の恐竜「イストイオラキス・マッカーシー(Istiorachis macarthurae)」を発見したと発表しました。この化石は、ポーツマス大学とロンドン自然史博物館の博士課程学生によってワイト島で発見されました。

この新種は、著名なセーラーであるデイム・エレン・マッカーサー氏の偉大な単独帆走功績を称えて命名されました。発見された化石には椎骨、肋骨、骨盤の一部が含まれており、特に椎骨には長く伸びた神経棘が見られます。これらの神経棘は、他のイグアノドン類であるウラノサウルスのように、背中から尾にかけて帆のような構造を持っていたことを示唆しています。

この帆の正確な機能については科学者の間で議論がありますが、体温調節や脂肪の貯蔵といった説も考えられています。しかし、最も可能性が高いのは、視覚的なシグナルとしての役割、特に繁殖ディスプレイや仲間同士の認識に使われたという見方です。このような特徴は、しばしばオスに見られ、配偶者を引きつけたり、競争相手を威嚇したりするために用いられたと考えられます。

ワイト島は、ヨーロッパでも有数の恐竜化石の宝庫として知られており、約1億2500万年前の白亜紀前期には、多様な恐竜たちがこの地域に生息していました。当時のワイト島は、現在のアフリカ北部に近い緯度に位置し、亜熱帯的な気候を持つ広大な河川流域の一部でした。この豊かな環境は、恐竜たちの生息に適しており、化石が良好に保存される条件が整っていました。この島からは、イグアノドン類だけでも20種以上の恐竜が確認されており、イストイオラキス・マッカーシーの発見は、この地域の古生物学的な豊かさと、白亜紀前期の生態系がいかに多様であったかを示す重要な証拠となります。

イストイオラキス・マッカーシーの発見は、イグアノドン類の多様性に関する我々の理解を深めるだけでなく、博物館のコレクションが継続的な科学研究や進化研究においていかに価値があるかを改めて示しています。ポーツマス大学のジェレミー・ロックウッド博士のような研究者たちは、ワイト島で発見される化石を通じて、過去の生命の進化の物語を解き明かしています。この新種の発見は、ワイト島が「英国の恐竜の首都」と呼ばれる所以をさらに強固なものにしました。

この発見は、デイム・エレン・マッカーサー氏への敬意を表すものでもあります。彼女はワイト島出身の著名なセーラーであり、2005年には単独無寄港世界一周の世界記録を樹立しました。彼女の偉業は、科学界だけでなく、多くの人々にインスピレーションを与えています。この恐竜の名前は、彼女の航海術における功績と、ワイト島の豊かな遺産への敬意を表しています。

ソース元

  • The Guardian

  • Istiorachis - Wikipedia

  • Colocada la primera piedra del edificio Ellen MacArthur del Parque Tecnológico de Hernani

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