2025年8月21日、インドの株式市場は堅調な動きを続け、ボンベイ証券取引所(BSE)のセンセックスは0.17%高の82,000.71で取引を終え、6営業日連続の上昇を記録しました。ナショナル証券取引所(NSE)のニフティも0.13%高の25,083.75となり、市場全体に楽観的な雰囲気が広がっています。この上昇は、物品・サービス税(GST)改革への期待感と、インドの信用格付けが引き上げられたことが背景にあります。
市場を牽引したのはBajaj FinservとICICI Bankでした。Bajaj Finservは第1四半期の堅調な業績発表を受けて株価が1%近く上昇しました。ICICI Bankも、市場予想を上回る決算と前年同期比15.5%の純利益増加が好感され、株価を押し上げました。セクター別ではヘルスケアと不動産が上昇した一方、電力とコモディティは下落しました。
投資家の関心は、米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長がジャクソンホール会議で行う講演に集まっています。市場はパウエル議長の発言から今後の金融政策、特に利下げの時期に関するヒントを得ようとしており、これが世界的な市場動向に影響を与える可能性があります。この講演を前に、投資家は慎重な姿勢も見せています。
外国機関投資家(FII)は1100.09億ルピー相当の株式を売却しましたが、国内機関投資家(DII)は1806.34億ルピー相当の株式を購入し、市場を下支えしました。原油市場では、ブレント原油が0.90%上昇し、1バレルあたり67.44ドルとなりました。
今回の市場の力強い動きは、インド政府が進めるGST改革への期待が大きく影響しています。この改革では、現行の4段階税率が5%と18%の2つの主要なスラブに簡素化される見込みで、これにより約2.4兆ルピーの需要押し上げ効果が予測されています。この税制変更は消費を刺激し、特に自動車や消費財セクターに恩恵をもたらすと期待されています。市場参加者は、これらの構造改革がインド経済の持続的な成長と市場のさらなる活性化につながる可能性に期待を寄せています。