2025年8月20日、インド株式市場はITセクターの力強い上昇に支えられ、5日続伸しました。BSEセンセックスは213.45ポイント高の81,857.84で取引を終え、NSEニフティ50は69.90ポイント高の25,050.55となりました。
この上昇は、ナレンドラ・モディ首相が独立記念日に発表した、消費刺激と経済活性化を目的としたディワリ前の物品・サービス税(GST)制度の抜本的な見直しへの期待感から生まれました。特にITセクターはニフティITインデックスが2.69%上昇し、セクター全体の牽引役となりました。インフォシスはオーストラリアのユニティング・ファイナンシャル・サービスとの提携発表を受けて3.83%上昇し、タタ・コンサルタンシー・サービシズも2.61%上昇しました。ヒンドゥスタン・ユニリーバ、NTPC、タタ・スチール、テック・マヒンドラ、HCLテックなども堅調な値動きを見せました。
一方で、市場全体のセンチメントは広範なセクターでまちまちでした。エレクトロニクス、オートファイナンス、自動車メーカー、鉄道関連の株式は下落しました。ベルは2.17%下落し、シュリラム・ファイナンスやバジャージ・ファイナンスも1%以上の下落となりました。
投資家は、現在の市場状況に加え、GST率の変更の可能性も考慮して投資判断を行うことが推奨されています。最近のGST改革案は、消費を刺激し、経済成長に0.5~0.7%貢献する可能性があり、特に自動車や消費財セクターに恩恵をもたらすと予測されています。この改革は、現在の4つの税率区分を5%と18%の2つの主要区分に統合することを目指しています。
インド準備銀行(RBI)の金融政策レビューも市場の動向に影響を与える要因として注目されています。8月の金融政策委員会(MPC)では、関税に関する不確実性や過去の利下げ効果の浸透が十分でないことを理由に、政策金利(レポレート)は5.5%で据え置かれました。RBIは、経済の回復力は示されているものの、潜在能力を下回っていると指摘し、「様子見」の姿勢を維持しています。インフレ見通しは下方修正されましたが、GDP成長率予測は6.5%で据え置かれました。
全体として、インド市場はITセクターの力強さに牽引されて上昇しましたが、他のセクターの動向やRBIの金融政策、そして今後のGST改革の行方が、市場の今後の方向性を左右する重要な要素となるでしょう。