2025年10月2日、ビットコイン(BTC)は12万ドルを突破し、一時120,265ドルに達しました。これは米政府閉鎖開始から2日目に記録されたもので、過去24時間で2.7%、直近1週間では約8%の上昇となりました。この急騰は、投資家がビットコインなどの代替資産に資金を振り向けていることを示唆しています。
特に、ビットコイン現物ETFへの資金流入が活発化しており、10月1日には6億7,580万ドルが流入しました。3取引日で6億7,600万ドルに達したビットコインETFへの安定した資金流入は、機関投資家の信頼の高まりを示しています。BlackRock iShares Bitcoin Trust (IBIT) はこの成長を牽引し、1日で4億500万ドルを集めました。これは9月12日以来の最高額であり、機関投資家の関心の高まりを裏付けています。市場関係者は、ビットコインが伝統的な株式市場との連動性から独立しつつあると指摘しています。歴史的にビットコインは米ハイテク株や金と相関することがありましたが、現在は独自の動きを見せています。
さらに、10月の利下げ観測もビットコインの魅力を高めています。低金利環境下では、ビットコインのようなリスク資産は一般的に良好なパフォーマンスを示す傾向があります。10月は「アップトゥーバー」として知られ、過去10年間で9回価格が上昇した実績があり、73%のケースでプラスのリターンをもたらし、平均29.23%の上昇を記録しています。特に、2020年には28%以上、2021年には40%上昇しました。この季節的な強さが早くも現れているようです。
他の主要な暗号資産も上昇しており、イーサリアム(ETH)は3%上昇して4,407ドル、ソラナ(SOL)は約3%上昇して226ドルに達しました。これらの動きは、暗号資産市場全体が好調であることを示しています。
米政府閉鎖は、経済指標の発表を遅らせ、連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策決定に不確実性をもたらしています。しかし、このような不確実性は、逆にビットコインのような政府や中央銀行の政策に直接左右されない資産への逃避需要を刺激する可能性があります。過去の政府閉鎖の際には、ビットコインが安全資産として機能する場面も見られました。
アナリストは、有利な条件下では、2025年10月のビットコイン価格は114,000ドルから127,500ドルの範囲で変動する可能性があると予測しています。この勢いが続けば、ビットコインは新たな史上最高値を更新する可能性があります。しかし、市場のボラティリティは依然として高く、特に規制の動向やマクロ経済の変動には注意が必要です。
ビットコイン現物ETFへの継続的な資金流入と、米政府閉鎖による経済的不確実性が、投資家のリスク選好度を高め、ビットコインを魅力的な代替資産として位置づけています。歴史的な「アップトゥーバー」の傾向も相まって、ビットコインは今後も注目を集めるでしょう。