NvidiaとMicrosoft、Anthropicへ総額150億ドル投資、評価額は3500億ドルに急騰

NvidiaとMicrosoftは2025年11月18日火曜日、AI分野の主要企業であるAnthropicに対し、総額最大150億ドルの戦略的投資を行うと共同で発表した。この大規模な資金調達により、Anthropicの企業評価額は約3500億ドルへと急騰した。これは、9月時点の評価額1830億ドルからわずか2ヶ月でほぼ倍増した数字であり、AIエコシステムにおける資本の集中と競争の激化を明確に示している。

投資の内訳は、Nvidiaが最大100億ドル、Microsoftが最大50億ドルを拠出する形となる。この取引の重要な要素として、AnthropicはMicrosoft AzureからNvidia製システムを搭載したクラウドコンピューティング容量を300億ドル分購入することにコミットした。MicrosoftのCEOであるサティア・ナデラ氏は、AnthropicのモデルがAzureインフラストラクチャを活用する一方で、OpenAIが引き続き重要なパートナーであることを強調した。この発言は、ナデラ氏がAIパートナーシップの多様化を通じて、特定の企業への依存を避け、広範なイノベーションを促進する戦略的視点を持っていることを示唆している。

Nvidia側では、同社がAnthropicとエンジニアリング面で協業し、自社ハードウェア向けにモデルの最適化を図る。NvidiaのCEOであるジェンスン・フアン氏は、この提携がAnthropicのモデル開発を加速させると述べた。2021年に元OpenAIの研究者によって設立されたAnthropicは、大規模言語モデル「Claude」シリーズで急速に台頭しており、今回の資金調達は同社がOpenAIの主要な競合相手としての地位を固める動きと見なされる。

大規模なAIへの資金流入にもかかわらず、Nvidiaの株価は、AI評価額に対するテクノロジーセクター全体の軟調さから、火曜日に2.8%下落した。市場の関心は、同日取引終了後に予定されているNvidiaの会計年度第3四半期決算発表に集中している。アナリストらは、売上高が約549億ドル、一株当たり利益（EPS）が約1.25ドルに達すると予測しており、これは前年同期比で50%を超える成長を反映している。Nvidiaの成長はデータセンター部門と次世代チップであるBlackwellアーキテクチャの展開に大きく依存しており、投資家は生産の実行能力と高い利益率の維持に注目している。

一方、他の主要なビジネスニュースとして、ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイが、2025年9月30日時点でAlphabet（Googleの親会社）の新規株式49.3億ドル相当の持ち株を公開した。これは、2025年末のCEO交代を控えるバフェット氏による、成長著しいテクノロジー企業への異例の大型投資と見なされている。バークシャーのこの動きは、AI分野での過剰支出への懸念が広がる中で、同社が選別的な投資機会を見出していることを示唆しており、Alphabetの堅固なキャッシュフローと市場での優位性を評価した結果である。Alphabetのこの新規取得分は、9月末時点でバークシャーの持ち株の中で10番目に大きなポジションとなっている。