ガボン、30年の研究を経て初のギシ―ル語・仏語二言語辞書を発表
編集者: Vera Mo
ガボンは、自国の言語遺産を維持するための重要な一歩として、史上初となるギシ―ル語とフランス語の二言語辞書を公表しました。この画期的な成果は、30年間にわたる集中的な研究の結晶であり、2025年10月31日にリーブルヴィルの国立博物館で正式に発表されました。この辞書の主たる目的は、消滅の危機に瀕しているギシ―ル語を再活性化させ、ガボン国内のコミュニティにおいて積極的に使用されるよう促進することにあります。
このプロジェクトを主導したのは、著名な言語学者であり研究者でもあるテオドール・クワウ=メサノンギ氏です。この辞書は単なる語彙集にとどまらず、文化的知識を次世代に伝達するための基礎的なツールとしての役割を果たします。約18,000の語彙項目(レクセム)が収録されているほか、教育目的で極めて重要となる文法規範や統一されたアルファベットも網羅されています。特に、標準的なデジタルキーボードには存在しない音や記号を正確に記述するため、音声学的な側面に細心の注意が払われました。
ガボン国内には推定で約40種類のバンツー語が存在するとされており、このプロジェクトは、口頭伝承の多様性を尊重することで、国家の独自性を確立しようとする同国の意図を強調しています。ギシ―ル語を話すギシ―ル族にとって、この言語は彼らの土地をも示すものであり、「言葉」「人間」「領土」の間に断ち切れない結びつきがあることを示唆しています。さらに、ギシ―ル語のインタラクティブな学習を支援するため、モバイルアプリケーションの開発が進められています。これにより、学習者は音声資料、ことわざ、真正なテキストといった豊富な教材を利用し、言語をデジタル環境に統合できるようになります。
この辞書は、Éditions Ntsame社から25,000CFAフランで入手可能であり、学者、教育関係者、家族、地域コミュニティといった幅広い利用者を対象としています。発表会には、国立博物館総局およびÉditions Ntsame社の代表者が出席し、無形文化遺産の保存に対する国家的な支援が示されました。プロジェクトに参加したNGO「Dibundu Di Mutsonzigu」は、すでに会議の開催や世代間の言語伝達を目的としたコミュニティプログラムの立ち上げを計画しています。さらに、ファング語、オミエン語、ンゼビ語など、他の言語の辞書作成作業もすでに予定されており、これは国の言語的豊かさを守るための包括的な戦略を強化するものです。
ソース元
Gabonreview.com | Actualité du Gabon |
Gabon Meca
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