アブダビに拠点を置くエミレーツ・カレッジ・フォー・アドバンスト・エデュケーション(ECAE)は、教育省の教員を対象に、人工知能(AI)技術を活用するためのスキルを育成する「ホライズンズ」(Horizons)プログラムを開始しました。この画期的な取り組みは、ECAEがGITEX Global 2025に参加したことを背景に発表されました。これは、知識経済の発展を目指すUAEの国家戦略に合致した、先進的な教育エコシステムの構築に向けた重要な一歩となります。
本プログラムの核となる焦点は、教育プロセスへのAIの倫理的かつ持続可能な統合です。最初の段階では、国内全域で5,000人の教員を訓練することが計画されており、これはUAEにおいてこの種のプロジェクトとしては初めての規模となります。研修は、1回4時間のセミナーを5回実施する構成で、合計20時間にわたります。カリキュラムは、AIの実践的な応用に関する実習と、倫理的側面を深く考察するためのグループ演習を組み合わせています。
指導方法論は、ホルトとハリスによる学習におけるAIの教育モデルといった最先端の研究成果に基づいています。さらに、ユネスコの教員向けAIコンピテンシー枠組みや、国家教育者コンピテンシー枠組み(NECF)といった国際的および国内的な基準も参照されており、質の高い教育提供が保証されています。
この大規模な教員研修が開始された背景には、UAEにおけるAI技術の急速な浸透を示すデータがあります。TALIS 2024の報告書によると、UAEの教員の75%がすでに業務でAIを利用しており、これは世界平均の36%を大幅に上回っています。この事実は、同国が最先端技術の導入において強固な基盤を既に持っていることを示しており、特にUAEとシンガポールがこの分野で世界をリードしている状況が浮き彫りになっています。
「ホライズンズ」プログラムでは、インクルーシブ(包摂的)な学習環境の創出、知識評価のためのAIに基づくフィードバックの活用、そして公正で倫理的に検証された学校方針の策定に特に重点が置かれています。ECAEは、AI時代にふさわしい革新的な教育実践を通じて、国の目標を実現できる教員集団を育成することを目指しています。これは、AIを教育を含むあらゆる部門に不可欠な要素として組み込むという、UAEのより広範な国家戦略と共鳴しています。この戦略は、「センテニアル2071」の目標達成と、AIガバナンスにおける世界的リーダーとしての国の地位強化を目指すものです。