伝統的な教室の枠を超え、生徒が自らの環境と直接関わる体験学習を重視する進歩的な教育の潮流が、フランスのサン＝ト（Saintes）で具体的な形をとっている。これは、知識を一方的に受け取るのではなく、世界との関わりの中で学びを深める機会として捉え直す動きである。
サン＝トでは、小学校高学年にあたるCM1とCM2の児童たちが、地域環境の理解と発見を目的とした野外学校の一週間を経験した。彼らの活動の中心は、シャラント川でのカヤック体験と、Natura 2000に指定された貴重な自然保護区内での地元の植物相の学習であった。この一連のプログラムは、地域社会と教育チームが連携して設計した、意図的な学びの場である。
カヤックの航行では、正しいパドリング技術から逆回転の技術まで、実用的なスキルが指導された。スポーツ指導者のシンディ・プーパール氏は、このような共同作業の場が、水辺の環境に対する若者の潜在的な懸念を、落ち着いた実践を通じて乗り越える助けになると指摘した。これは、集団の中で安全に挑戦し、自己の可能性を広げる機会が提供されたことを示唆している。
水上活動と並行して、陸上での探求も実施された。野鳥の保護連盟から参加したアニメーターのステファン・メゾンオート氏は、オオバコなどの地域固有の植物を特定する活動を通じて、児童たちの好奇心を刺激した。児童たちはこの環境の変化を歓迎し、教室での座学よりも野外活動が優れていると感じた様子で、ルイーズさんはこれまで見たことのない植物の多様性と美しさに感銘を受け、自然界の豊かさを肌で感じた。
サン＝トの児童教育調整官であるアレクサンドル・ジロー氏は、この取り組みの根幹には、地域環境への深い理解と、それを守ろうとする意欲を育むという明確な目的があると説明した。この一週間の発見の機会は、サン＝ト地域から集まった約10のCM1およびCM2の学級に提供された。
フランス全体で見ても、地域資源を活用した環境教育は重要な柱となっており、地域社会と連携し、環境教育や地域教育を推進する動きが全国的に見られる。このような実践は、児童たちが自らの足元にある世界を、より深く、責任感を持って見つめ直すための土壌を耕すものであり、彼らが体験を通じて得た気づきは、未来の行動様式を形作る基盤となるだろう。