東カリマンタン州サマランダ市ロア・バクン地区に、国際基準の統合校が2025年9月30日に開校しました。この新しい教育施設は、SD Negeri 028、SMP Negeri 16、SMA Prestasiの3つの教育段階を統合し、広さ1.8ヘクタールの敷地に地域予算700億ルピアを投じて建設されました。この統合校は、現代的な研究室、デジタル学習室、マルチメディア図書館、そしてスポーツや芸術のための施設を備えています。
教育システムはバイリンガル教育を採用し、インドネシア独自の「ムルデカ・ベラジャル（自由な学び）」カリキュラムと、国際的に高い評価を得ているケンブリッジ・カリキュラムを融合させています。サマランダ市は、この学校を国際的な教育モデルの先駆けとすることを目指しています。アンドゥ・ハルン市長とサエフディン・ズフリ副市長は、2025年7月24日に施設を視察し、軽微な改善点はあるものの、パイロットスクールとして適していると評価しました。この統合校の開校は、サマランダの教育水準の向上に貢献し、インドネシア全土の教育開発における模範となることが期待されています。ハルン市長は、この学校が学業成績だけでなく、強い人格と高潔な倫理観を持つ生徒を育成することを願っています。
ケンブリッジ・カリキュラムは、その柔軟性と国際的な評価の高さから、多様な学習者や状況に対応できる利点があります。特に、英語を母語としない生徒にとっても、個々のニーズに合わせて調整され、適応しやすいという特徴があります。このカリキュラムは、生徒が様々な科目を深く探求し、それらの間に繋がりを見出すことを奨励します。また、学際的な視点や追加的な視点を容易に取り入れることが可能です。これにより、生徒は学術的な成功だけでなく、より良い文化的理解やコミュニケーション能力、そして変化への適応力を育むことができます。
一方、「ムルデカ・ベラジャル」カリキュラムは、生徒の能力開発と同時に、パンチャシラ学習者としての人間形成を重視しています。このカリキュラムは、生徒が自身のアイデンティティ、哲学、インドネシアへの熱意を育み、21世紀の課題に対応できる力を養うことを目指しています。教師と生徒が共に学習活動をデザインする自由度が高く、ICTリソースの活用も奨励されています。この二つのカリキュラムの融合により、生徒は国際的な視野とインドネシアの価値観を兼ね備えた、バランスの取れた教育を受けることができるでしょう。東カリマンタン州教育文化局も、世界レベルの卒業生を育成するために、深い学習アプローチを強化しており、バイリンガルクラスの拡大や、インドネシア全土のパイロットスクールの一つである「ガルーダクラス」の導入などを進めています。これは、サマランダの新しい統合校が、地域および国の教育発展において重要な役割を果たすことを示唆しています。