2025年8月21日、COSCO Shipping Lines Indonesiaは、インドネシアのバタム港と中国海南省の陽江港を結ぶ新たな海上直航ルートの就航を発表しました。この戦略的な新ルートは、中国と東南アジア間の海上輸送連携を強化し、貿易の流れを促進することを目的としています。
新ルートはバタム、陽江、そしてマレーシアのコタキナバルを経由し、トランジット時間の短縮と物流コストの削減を通じて、地域経済に貢献することが期待されています。COSCO Shipping Lines Indonesiaのマネージングディレクターである王偉(Wang Wei)氏は、「この新しい直航サービスは、中国、インドネシア、そしてより広範な地域間の貿易に具体的な利便性をもたらし、トランジット時間の短縮と物流コストの削減を実現します」と述べ、このルートが地域連携強化における重要な一歩であると強調しました。
バタム港は2024年に約67万TEUのコンテナ取扱量を記録し、前年比8%の増加を示しました。これは港湾インフラの近代化とサービス拡充の成果であり、最新鋭のガントリークレーン導入などにより国際基準に適合したコンテナターミナルへと進化しています。
陽江港は、中国の「一帯一路」構想や海南自由貿易港の発展と連携し、国際的な海上輸送ハブとしての地位確立を目指しています。その戦略的な立地は、中国西部地域とグローバルサプライチェーンを結ぶ重要な結節点となり、東南アジア諸国連合(ASEAN)と中国間の連携をさらに深める可能性を秘めています。この新ルートは、陽江から北米・南米への主要航路とも接続されるため、インドネシアから米州への迅速な輸送経路が確立されます。
この新ルートの開設は、中国とインドネシアの経済協力関係の新たな段階を象徴しています。両国は長年にわたり緊密な経済関係を築いており、中国はインドネシアにとって最大の貿易相手国であり、重要な投資元です。新エネルギー、製造業、デジタル経済といった分野での協力が拡大する中、今回の海上ルート開設は、こうした協力関係をさらに強化し、地域全体の経済発展に新たな活力を注入するものと見られています。