ベトナム書記長、10月に北朝鮮訪問へ:外交関係樹立75周年を記念

編集者: S Света

2025年はベトナムと北朝鮮の外交関係樹立75周年を迎える記念すべき年となります。この節目を祝し、ベトナム共産党中央執行委員会のトー・ラム書記長が、10月に北朝鮮の首都平壌を訪問する見通しであることが報じられました。この訪問が実現すれば、ベトナムの最高指導者が北朝鮮を訪れるのは約20年ぶりとなり、両国の関係において重要な意味を持つ可能性があります。

両国は2025年を「友好の年」と位置づけ、関係強化に向けた動きを見せています。1月31日には、両国の首脳間で祝電が交換され、長年にわたる友好協力関係を新たな段階へと発展させていく意思が確認されました。ベトナムと北朝鮮は、社会主義という共通のイデオロギーのもと、歴史的に緊密な関係を築いてきました。しかし、近年は国際的な制裁の影響もあり、両国間の活発な貿易関係は限定的となっています。2016年の貿易データによると、ベトナムから北朝鮮への輸出額は約300万米ドルにとどまっています。

トー・ラム書記長の北朝鮮訪問は、政治的な連携を再確認する機会となることが期待されます。特に、国際社会が北朝鮮の核開発問題などで緊張感を高める中での訪問は、両国の政治的結びつきを浮き彫りにする可能性があります。なお、トー・ラム書記長は、北朝鮮訪問に先立ち、8月には韓国を国賓として訪問する予定です。韓国の李在明大統領は6月4日に就任し、ベトナムとの包括的戦略的パートナーシップの深化を目指しています。韓国はベトナムにとって最大の投資国であり、2025年上半期には両国間の貿易額が815億ドルに達し、2030年までに1500億ドルを目指すという目標も掲げられています。このような状況下でのトー・ラム書記長の訪朝は、地域におけるベトナムの外交的な立ち位置の複雑さを示唆しています。

過去の歴史を振り返ると、ベトナムの指導者による北朝鮮訪問は、1957年のホー・チ・ミン主席、2007年のノン・ドゥック・マイン元書記長などが記録されています。また、北朝鮮の金正恩総書記も2019年にベトナムのハノイを訪問し、当時のアメリカのトランプ大統領との首脳会談が行われました。今回のトー・ラム書記長の訪問は、これらの歴史的な交流を踏まえつつ、現代の地政学的な文脈の中で、両国の関係性を再定義する一歩となるかもしれません。訪問の具体的な日程や会談内容は、今後の両国からの発表が待たれます。

ソース元

  • investor.id

  • Korea JoongAng Daily

  • NK PRO

  • The Moscow Times

  • Vietnam.vn

  • Viet Nam Government Portal

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