スイスは、永世中立国としての立場を維持しつつ、欧州連合(EU)との協力を積極的に強化しています。
2025年1月には、スイスはEUの「軍事移動」プログラムに参加することになります。これは、国境を越えた軍事技術と人員の移動を円滑化することを目的としています。
アムヘルツ国防相は、この参加がスイスの集団防衛義務に影響を与えることはなく、中立性の原則を尊重するものであると述べています。
2025年3月には、スイス議会が安全保障分野におけるEUとの一層の連携を求める決議を可決しました。賛成115票、反対66票という結果は、スイスが欧州との安全保障上の連携を強化することへの強い意志を示しています。
さらに、2024年10月には、スイスはドローンに対する空域防衛のための欧州イニシアチブ(ESSI)にも参加しました。この協力は、スイスの中立性を損なうことなく、欧州における統一的な防空システムの確立を目指しています。スイスは、参加の可否を独自に決定する権利を保持しています。
このように、スイスは中立の立場を堅持しながら、EUとの協力を着実に強化しています。これは、国際社会における日本の役割を考える上でも、非常に示唆に富む動きと言えるでしょう。日本もまた、国際的な安全保障の枠組みの中で、自国の立場を尊重しつつ、他国との連携を模索していくことが重要です。