国連人権高等弁務官事務所は2025年8月15日、イスラエルがヨルダン川西岸地区のマアレー・アドゥミーム入植地と東エルサレムの間で数千戸の新規住宅を建設する計画を非難しました。国連は、この計画が国際法に違反し、パレスチナ人の強制立ち退きにつながる可能性があり、戦争犯罪に該当すると指摘しています。
イスラエルのベザレル・スマトリッチ財務相は、パレスチナ国家の構想を「葬り去る」ことを目的としたこの物議を醸す入植地プロジェクトの承認を進めています。この計画には3,401戸の住宅建設が含まれ、長年停滞していたE1プロジェクトが再燃した形です。E1地域は、ヨルダン川西岸地区を東西に分断し、東エルサレムを孤立させる可能性があるとして、広く批判されています。東エルサレムの北東に位置する12平方キロメートルのE1地域には、カーン・アル・アフマールを含むいくつかのベドウィン共同体が居住しています。提案されている入植地の建設は、ヨルダン川西岸地区を孤立した飛び地に分割し、二国家解決の実現可能性をさらに危うくするものです。
国連人権事務所は、イスラエルに対し、すべての入植活動を停止し、占領地から入植者を退去させるよう求めています。国際社会の大部分は、1967年以来のイスラエルのヨルダン川西岸地区への入植と占領を国際法の下で違法とみなしています。この入植地拡大は、ヨルダン川西岸地区を断片化し、互いに接続されていない飛び地にするものと批判されています。現在、ヨルダン川西岸地区と東エルサレムには約270万人のパレスチナ人の間に約70万人のイスラエル人入植者が住んでいます。
イスラエルは、その入植活動が歴史的および戦略的な根拠に基づいていると主張していますが、ほとんどの国際勢力はこれを違法とみなし、平和努力を妨げると主張しています。ドイツをはじめとする国際社会は、この計画を強く非難しており、イスラエルに対し入植建設を停止するよう求めています。欧州連合の外交政策責任者も、この計画は「国際法違反」であると非難し、二国家解決の実現可能性を守る必要性を強調しています。E1計画の最終承認に向けた公聴会は、イスラエルの反入植団体ピース・ナウによると、記録的な速さで来週水曜日に予定されています。