中国・天津で2025年8月31日から9月1日にかけて開催された上海協力機構(SCO)サミットは、加盟国間の経済・政治協力を強化する重要な節目となりました。習近平国家主席は、SCOの国際的影響力を拡大するための構想を提案しました。
このサミットには、ロシアのプーチン大統領やインドのモディ首相をはじめとする20カ国以上の非西側諸国の首脳が参加し、新たな世界統治システム形成に向けた主要国間の結束を浮き彫りにしました。習近平国家主席は、SCO主導の開発銀行設立計画の加速と国際エネルギー協力プラットフォームの立ち上げを提案しました。経済的結びつきを強化するため、中国は3年間で加盟国に14億ドルの融資を提供することを表明し、米ドルへの依存を減らし、代替金融システムの育成へのコミットメントを示しました。
プーチン大統領は習主席の提案を強く支持し、SCOを「真の多国間主義」の復活であり、新たなユーラシア安全保障モデルの基盤であると位置づけ、西側中心の同盟への対抗軸として提示しました。今回のサミットは、中国とインドの関係改善の場ともなり、習主席とモディ首相は共通の開発パスで合意し、両国がライバルではなく開発パートナーであることを強調しました。世界的な貿易緊張の中で行われたこの二国間会談は、安定と協力への相互関心を浮き彫りにしました。
サミットは、天津宣言と2035年までのSCO開発戦略の採択をもって終了し、相互信頼の強化、安全保障上の脅威への対抗、経済・金融協力の深化へのコミットメントが示されました。同機構はまた、過激主義思想に対抗するためのプログラムとエネルギー協力のロードマップを承認し、地域的な課題に対処し、共通の開発目標を推進するための協調的な取り組みを示しました。新たな対話パートナーの受け入れや、オブザーバーおよび対話パートナーのカテゴリーを「SCOパートナー」という単一カテゴリーに統合する決定は、SCOの影響力の拡大とその進化する構造を反映しています。