国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、2025年9月2日にパプアニューギニア(PNG)を訪問し、同国の気候変動対策への取り組みと、24年間にわたるブーゲンビル平和プロセスへの対応を高く評価しました。現職の国連事務総長によるPNG訪問は初めてのことです。
ポートモレスビーでの演説で、グテーレス事務総長はPNGの「大胆な気候変動対策」を称賛し、特に2025年7月に国際司法裁判所(ICJ)が示した勧告的意見において、気候変動から地球を守るための措置を怠った国は国際法に違反する可能性があるとの見解を提起したPNGの役割を強調しました。このICJの拘束力のない意見は、気候変動対策における転換点として注目されています。
事務総長は、PNGが気候変動の直接的な影響に直面している中でリーダーシップを発揮していることを指摘しました。PNG首相ジェームズ・マラペは、緑で回復力のある包括的な開発路線を推進するPNGの取り組みを改めて表明しました。
さらに、グテーレス事務総長は、2001年8月30日に署名されたブーゲンビル平和合意を称賛しました。この合意は10年間の紛争を終結させ、ブーゲンビル自治州を設立しました。国連は、武器の廃棄や2019年の住民投票の支援を通じてブーゲンビルに寄り添ってきました。事務総長は、PNGとブーゲンビルが対話、忍耐、相互尊重を通じて平和の道を歩み続けていることを称賛し、この平和プロセスは世界が学ぶべき重要な教訓であると述べました。
事務総長の訪問は、PNGが多様性を一つの国家として統合し、平和の維持に努めてきたことを強調しました。