2025年10月25日に予定されている大統領選挙を前に、コートジボワールでは野党指導者らが選挙から排除されたことに対する抗議活動が全国規模で広がっている。8月9日、野党連合は、ローラン・バグボ率いるPPA-CI(コートジボワール・アフリカ人民党)とティジャヌ・ティアム率いるPDCI(コートジボワール民主党)を中心に、首都アビジャンを含む各地で大規模なデモを実施した。これらのデモは、主要な野党指導者らが立候補を認められなかったことへの抗議として行われた。
現職のアラサン・ワタラ大統領は4期目の続投を目指し、7月29日にその計画を発表した。しかし、野党側は、ティアム氏が立候補届出時にフランス国籍を保持していたこと(後に放棄)、バグボ氏、シャルル・ブレ・グーデ氏、ギヨーム・ソロ氏らが過去の法的判決や制限を受けていることを理由に、選挙から排除されたことに強く反発している。これらの排除は、コートジボワールの民主主義の原則と安定性に対する懸念を提起しており、ポール・コリアー氏、フランシス・フクヤマ氏、ダニ・ロドリック氏といった著名な学者は、ティアム氏の排除が民主主義の原則を脅かし、不安定化を再燃させる可能性があると警告している。抗議者たちは「もう十分だ!」や「真の正義なくして真の民主主義はない」といったメッセージを掲げ、選挙への参加資格の全面的な見直しを求めている。野党は政治的対話の開始と指導者たちの選挙プロセスへの再統合を強く要求しており、国際社会も国の民主的安定を確保するために、透明で包括的な選挙プロセスの必要性を強調している。
コートジボワールでは過去の選挙でも緊張や暴力が頻繁に発生しており、2010年の大統領選挙後の混乱では約3,000人が死亡した。ワタラ大統領が3期目の続投を表明した際にも選挙関連の暴力で死者が出ている。今回の野党指導者の排除は、多くの指導者が憲法上の任期制限を変更して権力を維持しようとする地域全体の傾向とも一致しており、西アフリカにおける民主主義の健全性に対する懸念をさらに深めている。コートジボワールは西アフリカ最大の経済規模を誇る国だが、その政治的安定性は、今回の選挙プロセスにおける包括性と公平性にかかっている。