8月28日、イエメンの首都サヌアで発生したイスラエル軍による空爆により、フーシ派政権のアーメド・ガレブ・アル・ラフウィ首相を含む複数の閣僚が死亡したと、フーシ派が発表しました。
この攻撃は、フーシ派がイスラエルおよび紅海の船舶に対して行っている一連の攻撃への報復と見られています。フーシ派最高指導者アブドル・マリク・アル・フーシ師は、イスラエルに対する攻撃を継続・拡大する意向を表明しました。また、フーシ派最高政治評議会議長のメフディ・アル・マシャート氏も、イスラエルに対し「暗黒の日々」が訪れると警告し、封鎖が解除されるまで抵抗を続ける姿勢を示しました。
フーシ派は2023年10月のガザ紛争勃発以降、パレスチナ人との連帯を表明し、イスラエルに向けたミサイルやドローンによる攻撃を繰り返してきました。これらの攻撃は紅海の海運に深刻な影響を与え、2025年7月6日時点の7日間移動平均では、バブ・エル・マンデブ海峡を通過する船舶数が28隻にまで落ち込んでいます。
今回のイスラエルによるフーシ派高官への攻撃は、昨年8月に首相に任命されたアル・ラフウィ氏が、他の閣僚や高官と共にフーシ派指導者の演説を視聴するために集まっていた際に発生しました。イスラエル軍は、サヌア地区のフーシ派の軍事目標を正確に攻撃したと発表していますが、首相殺害の発表については即座のコメントを発表していません。
この出来事は、中東地域における緊張をさらに高める可能性があり、イスラエルとイランの対立が激化する中で、地域全体の不安定化を招く懸念が強まっています。イランはフーシ派の主要な支援国であり、今回の攻撃に対するイランの反応も注目されています。過去には、2025年6月13日にイスラエルがイラン国内の核関連施設を含む軍事目標に対して大規模な空爆を実施し、イランが報復攻撃を開始したことで、中東情勢は一気に緊迫化しました。
フーシ派は、イスラエルへの攻撃を継続する姿勢を示しており、今後の攻撃の応酬が激化することが予想されます。この状況は、国際社会の懸念をさらに高め、地域紛争のさらなる拡大につながる可能性があります。