ソウルで開催された国際パラリンピック委員会(IPC)の総会において、ロシアおよびベラルーシのパラリンピック委員会を正式メンバーとして受け入れる決定が下されました。これにより、両国の選手は2026年にミラノ・コルティナで開催される冬季パラリンピックに中立選手として参加する道が開かれました。この決定は2025年9月27日に行われました。
最終的な選手の参加資格は、各国際競技連盟の判断に委ねられます。ロシアおよびベラルーシのパラリンピアンは、スキー、バイアスロン、スノーボード、ボブスレー、スケルトン、カーリングなどの競技において、2025/26シーズンのライセンスを国際連盟から取得する必要があります。現在、これらの連盟はロシアとベラルーシの選手を審査中です。
IPCは、選手が参加するための実務的な措置について、各国パラリンピック委員会と協力して進めています。この決定は、多数の国内パラリンピック委員会、国際競技連盟、そして障害者スポーツ団体の賛成多数で承認されました。
この動きは、ウクライナ侵攻を受けて国際スポーツ界から一時的に除外されていたロシアとベラルーシの選手たちの復帰に関する議論の中で行われました。過去には、ドーピング問題や地政学的な理由から、ロシアの選手たちは「個人中立選手(AIN)」として、あるいは「ロシアからのパラリンピック選手(OAR)」として、国旗や国歌なしで参加した経緯があります。例えば、2018年の平昌冬季オリンピックでは、ロシアの選手たちが中立選手として参加しました。また、2024年のパリ夏季オリンピックでも、一部のロシアおよびベラルーシ選手が個人中立選手として参加しましたが、その際には厳格な中立条件が課されました。
IPCの決定は、スポーツにおける公平性と包括性のバランスを取ろうとする国際的なスポーツ団体の継続的な取り組みを反映しています。しかし、各国際競技連盟のライセンス付与プロセスへの依存は、今後の参加資格審査においてさらなる議論を呼ぶ可能性があります。この決定が、パラリンピック運動の将来的なあり方やその信頼性にどのような影響を与えるかは、今後の動向を注視していく必要があります。特に、ウクライナ側からは、この決定に対する懸念の声も上がっています。