地球規模のプラスチック汚染条約交渉、草案を巡り停滞 生産制限が焦点に

編集者: Татьяна Гуринович

プラスチック汚染に対処するための地球規模の条約締結に向けた交渉が、最新の草案に対する各国の強い反発により、重大な局面を迎えています。当初、2025年8月14日に期限を迎える予定だった交渉は、主要な論点である生産制限や有害化学物質の規制について、参加国の間で深い溝が浮き彫りとなり、難航しています。

交渉委員会の議長であるルイス・バヤス・バルディビエソ氏が提示した草案は、多くの国からその内容の弱さや野心の欠如を理由に、厳しい批判を受けています。パナマは「これは野心ではなく、降伏だ」と述べ、欧州連合(EU)は「明確で、堅牢かつ実行可能な措置」が欠けているとして「受け入れられない」との見解を示しました。ケニアは「グローバルな法的拘束力のある義務が何もない」と指摘し、ツバルが太平洋島嶼国を代表して述べたように、この草案は「人々と生態系をプラスチック汚染の存亡の危機から守る条約とはなり得ない」という懸念が表明されています。英国はこれを「最低限の共通 denominadorに向かわせる」内容だとし、ノルウェーは「約束を果たせていない」と批判しました。

交渉の最大の焦点は、プラスチックの生産量そのものを制限するか、それとも廃棄物管理やリサイクルに重点を置くかという点です。サウジアラビア、ロシア、イランなど、石油生産国を中心とする「同志的グループ」は、条約が廃棄物管理を優先すべきだと主張しています。彼らは、プラスチック生産の制限は自国の経済的利益に影響すると見ており、合意形成には「コンセンサスがなければ、署名に値する条約はない」と強調しています。これに対し、EUやカナダ、オーストラリア、そして多くの発展途上国を含む100カ国以上が加盟する「ハイ・アンビション・コーリション」は、プラスチック生産に対する法的拘束力のある上限設定を強く求めています。このグループは、プラスチック汚染の根本原因は過剰な生産にあると認識しており、生産量の削減がなければ、問題の解決は不可能だと訴えています。

世界自然保護基金(WWF)のような環境保護団体は、交渉の残された時間がいかに少ないかを強調し、合意に至らなければ「さらなる損害、さらなる害、さらなる苦しみ」をもたらすと警告しています。科学的見地からは、現在のペースでプラスチック生産が続けば、2040年までに生産量は70%増加すると予測されており、リサイクル率は依然として低迷しています。2021年の国連環境計画(UNEP)のデータによると、世界のプラスチック生産量は年間4億トンに達していますが、リサイクルされるのはわずか9%に過ぎません。この状況は、問題の根本的な解決には生産段階からの介入が不可欠であることを示唆しています。

今回の交渉の行き詰まりは、地球規模の環境課題に対する各国の利害関係の複雑さを浮き彫りにしています。石油生産国がプラスチック産業を通じて自国の経済基盤を維持しようとする動きは、エネルギー転換が進む中で、プラスチック生産を新たな成長分野と見なす戦略と関連しています。このような状況は、より野心的で包括的な条約を求める国々との間で、根本的な意見の対立を生んでいます。

この膠着状態は、単なる外交的な駆け引きにとどまらず、地球の未来に対する人類の集合的な意思決定能力を試す機会とも言えます。各国の立場や利害を超えて、地球全体の持続可能性と将来世代の幸福という共通の目標に向かうための、より深い理解と協力の道筋を見出すことが求められています。この重要な局面で、参加国がどのようにして共通の基盤を見出し、実効性のある解決策へと進むのか、その行方が注目されています。

ソース元

  • Al Jazeera Online

  • Al Jazeera

  • Associated Press

  • Financial Times

  • Associated Press

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