2025年7月1日、スペースXは、フロリダ州ケネディ宇宙センターからファルコン9ロケットを使用して、MTG-Sounder(MTG-S1)衛星の打ち上げに成功しました。このミッションは、EUMETSATとESAの共同事業であり、ヨーロッパと北アフリカにおける気象予報と大気質監視を大幅に強化することを目指しています。
MTG-S1衛星は、メテオサット第三世代シリーズの一部であり、赤外線サウンダー観測装置を搭載しています。この装置は、温度、湿度、微量気体に関するデータを収集することにより、3次元の大気図を作成します。また、ヨーロッパと北アフリカの大気質を1時間ごとに監視するコペルニクス・センチネル4観測装置も搭載しています。
ファルコン9の第一段は、過去に複数のミッションを支援しており、大西洋上のドローン船への着陸に成功しました。MTG-S1は現在、静止軌道に向かっており、そこで継続的な観測を行います。これにより、気象予報士は包括的な気象状況を把握できるようになり、MTG-I衛星からのデータも補完されます。
このミッションは、気象予報と大気質監視の精度向上に貢献することが期待されています。極端な気象現象や大気汚染に関連する、重要な科学的および社会的な課題に取り組むものです。この進歩は、地球規模の環境モニタリング能力における大きな一歩と言えるでしょう。日本においても、気候変動による影響が深刻化しており、この衛星のデータは、今後の対策に役立つことが期待されます。