ノースロップ・グラマン社、改良型シグナスXL貨物宇宙船をISSへ打ち上げ
編集者: Tetiana Martynovska 17
ノースロップ・グラマン社のシグナスXL貨物宇宙船が、2025年9月14日にスペースX社のファルコン9ロケットで国際宇宙ステーション(ISS)に向けて打ち上げられました。打ち上げはフロリダ州ケープカナベラル宇宙軍基地から東部標準時午後6時11分に行われました。離陸から約14分半後、シグナスXLはファルコン9の上段から分離し、2025年9月17日の早朝にISSに到着する予定です。
このNG-23ミッションは、従来のシグナスよりも1.6メートル長くなった大型のシグナスXL型の初飛行となります。これにより、ペイロード能力が約3分の1増加し、最大5,000キログラムの貨物を搭載可能になりました。NASAは具体的な搭載貨物を明らかにしていませんが、様々な科学機器、必須の乗組員物資、およびステーション維持のための資材が含まれているとされています。
打ち上げに先立ち、NASAはシグナスXLの大型化がISSの生命維持システムや熱制御システムなどの重要システムに与える影響を評価するための詳細な分析を実施しました。また、カナダアーム2ロボットアームの運用への潜在的な影響も検討されました。
シグナスXLは、2026年春までISSに係留される予定ですが、ソユーズMS-28宇宙船の隣接ポートへのドッキングを容易にするため、2025年11月に一時的な係留解除が計画されています。この操作は、ソユーズ宇宙船のアプローチ経路への潜在的な干渉を防ぐために設計されており、カナダアーム2がシグナスXLの係留解除と再配置に使用されます。
このNG-23ミッションは、2024年8月以来のシグナス飛行となります。前回のNG-22ミッションは、ケープカナベラルへの輸送中に貨物モジュールに損傷を受けたため、無期限延期されていました。ノースロップ・グラマン社は、修理が完了次第、NG-22ミッションを続行する意向です。
今回の打ち上げは、ノースロップ・グラマン社の打ち上げ能力における移行も示しています。同社は、アンタレス230+ロケットから新しいアンタレス330構成への移行を進めており、アンタレス330はファイアフライ・エアロスペース社との提携により開発された国産の第1段ロケットを組み込んでいます。このアップグレードは、同社の打ち上げサービスの信頼性と独立性を強化することを目的としています。
将来的には、ノースロップ・グラマン社はファイアフライ・エアロスペース社と協力して、中型打ち上げロケット「Eclipse」の開発を進めています。この取り組みは、同社の打ち上げサービスをさらに拡大し、ISS補給や商業衛星展開を含む多様なミッションのためのペイロード能力と柔軟性を向上させることを目指しています。
シグナスXLの成功裏の打ち上げは、ISSへの信頼性の高い貨物補給ミッションによる支援に対するノースロップ・グラマン社の継続的なコミットメントを強調するものです。これにより、ステーションの継続的な運用が保証され、宇宙における科学研究の進歩が促進されます。シグナスXLは、従来のモデルと比較して約33%増加した約5,000キログラムの貨物を搭載可能で、宇宙での半導体結晶成長実験、将来の宇宙ミッションに不可欠な極低温燃料タンクの技術改良、ステーションの水システムにおける紫外線システムなどが含まれます。また、がん治療などの可能性を秘めた医薬品結晶開発のための物資も搭載されています。
ソース元
SpaceNews
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