パナソニック、ENEOSと連携し家庭用エネルギー管理システムの新たな実証実験を開始

編集者: an_lymons

パナソニック エレクトリックワークス社は、ENEOS Power株式会社と共同で、東京近郊の住宅および事業所を対象とした新たなエネルギー管理システム(EMS)の実証実験を開始しました。このプロジェクトは、太陽光発電、蓄電池、ヒートポンプを統合し、家庭での太陽光エネルギーの自家消費率を高めることを目的としています。この取り組みは、ENEOSが推進する低炭素エネルギー源への戦略的移行を支援するものです。

現在、東京の100世帯と20事業所において、パナソニックのホームエネルギー管理システム(HEMS)およびビルエネルギー管理システム(BEMS)用蓄電池が設置されています。これらの設置はENEOSの太陽光発電購入サービスの一環として行われており、EMSは蓄電池、ヒートポンプ給湯器、空調設備を遠隔操作することで、太陽光発電の自家消費を最大化します。パナソニックは、独自のアルゴリズムを用いて蓄電池の充放電を適切に制御することにより、再生可能エネルギーの利用率向上を目指しています。さらに、電力市場での取引の収益性や運用可能性、コスト削減の可能性についても評価を進めています。

ENEOSは、水素関連の取り組みを縮小する一方で、LNGやSAFへの投資を拡大し、再生可能エネルギーおよび脱炭素エネルギーへの投資配分を増やしています。これは、同社がカーボンニュートラル社会の実現に向けて、再生可能エネルギー源からの発電を強化し、日本国内のエネルギー供給を支えるという戦略と一致しています。ENEOSは、2022年度末までに再生可能エネルギーによる発電量を100万kW達成するという目標を達成しており、今後は主に太陽光および陸上風力発電を中心に、200万kWの開発を目指しています。

パナソニックのエネルギー管理への取り組みは、ドイツのtado°社との提携にも表れています。この協力関係により、パナソニックのヒートポンプとtado°のスマートサーモスタットが連携し、CO2排出量とエネルギー消費量の削減に貢献しています。具体的には、tado°のHeat Pump Optimizer Xとバランスサービスがパナソニックのヒートポンプと連携し、ユーザーフレンドリーなアプリケーションを通じて、家庭の快適性を最大化しながら暖房効率を高めます。さらに、tado°とパナソニックは、パナソニックのAquareaヒートポンプ専用の最適化機能である「AQUAREA Sync」を共同開発しました。これにより、流体温度をさらに低減して効率を10%向上させ、短サイクル運転を回避してエネルギーの無駄を削減し、ヒートポンプの寿命を延ばすことが可能になります。この機能は欧州全域で利用可能です。

これらの活動を通じて、パナソニックとENEOSは、日本におけるエネルギー効率の向上と再生可能エネルギーの利用促進を目指しています。この実証実験の結果は、将来的に大規模なソリューションの青写真となり、成功すれば小売電力事業者にも広く展開され、日本全国でより手頃で信頼性が高く、持続可能なエネルギーの実現に貢献する可能性があります。

ソース元

  • pv magazine International

  • ENEOS and its group company have commenced an energy management demonstration in collaboration with Panasonic.

  • Japan's Eneos to ramp up investment in LNG, SAF while slowing hydrogen

  • Weekly Japanese Industry and Policy News: 15 Mar - 21 Mar,2025 | EU-Japan

  • ENEOS Renewable Energy taps Green Energy Plus to develop 5MW of low-voltage solar in Chubu - Japan Energy Hub

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