アマゾンのプロジェクト・カイパー、衛星通信で1.2Gbps超の速度を達成

編集者: Veronika Radoslavskaya

アマゾンが進める衛星インターネットサービス「プロジェクト・カイパー」が、衛星通信分野で新たな基準を打ち立てました。同社のエンタープライズ向けアンテナは、OoklaのSpeedtestプラットフォームで1,289メガビット毎秒(Mbps)という記録的なダウンロード速度を達成したことが実証されました。

プロジェクト・カイパーは、SpaceXのStarlinkと競合する高速グローバルインターネット接続の提供を目指しています。アマゾンは2025年4月に最初の運用衛星27基を打ち上げ、現在3,200基以上の低軌道衛星コンステレーションの構築を進めています。このプロジェクトは2019年に設立され、低遅延で高速なブロードバンド接続を提供することを目的としています。

衛星打ち上げ支援のため、アマゾンはユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)、アリアンスペース、ブルーオリジン、SpaceXといった主要な打ち上げプロバイダーと戦略的パートナーシップを構築しています。特に2023年12月にはSpaceXとの契約により、カイパー衛星展開のために3回のファルコン9ロケット打ち上げが確保されました。

商業展開では、2027年からジェットブルー航空がカイパーを利用した無料機内Wi-Fiサービスを提供する予定です。また、オーストラリアではNBN Co(オーストラリアの国家ブロードバンドネットワーク)がアマゾンと提携し、2026年までに地方の衛星インターネットを最大400Mbpsの速度で強化することを目指しています。さらに、アメリカのワイオミング州のような地域では、孤立した地域に少なくとも150Mbpsの通信速度を提供するためのカイパー技術の活用が検討されています。

これらの進展は、ネットワークアクセスにおける大きな変化と、アマゾンが衛星通信分野で急速に進歩していることを示しています。同社は、2026年半ばまでにコンステレーションの半数以上を軌道上に配置するという連邦通信委員会(FCC)の要件を満たすため、ワシントン州カークランドの施設で衛星製造を加速させています。この施設は、ピーク時には1日あたり数基の衛星を製造できる能力を持つとされています。

プロジェクト・カイパーは、市場で確立されたStarlinkに追いつくという課題に直面していますが、今回のギガビット速度のデモンストレーションは、技術的な競争力があることを証明しています。アマゾンは、十分な数の衛星を軌道に配置し、パートナーシップへの継続的な投資を行うことで、衛星通信市場における主要プレイヤーとなる道筋を描いています。実証実験から実際のサービス提供へと移行する中で、システムの信頼性と負荷時の容量が競争力を左右する鍵となるでしょう。

ソース元

  • IlSoftware.it

  • The Register

  • CNBC

  • About Amazon

  • TechRadar

  • GeekWire

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