リコー技術統合のRealme GT 8 Pro、グローバル展開へ 11月にインド・欧州市場投入

Realme GT 8 Proフラッグシップスマートフォンは、2025年10月21日に中国で正式発表された。本機の主要な特徴は、日本のリコーイメージングとの技術協力の成果であり、特にカメラ機能の開発において、高級コンパクトデジタルカメラRICOH GRシリーズの開発チームが継続的な助言と協力を提供した点にある。

この戦略的提携は、スマートフォン単体での撮影に慣れたユーザーに対し、写真表現の奥深さを体験してもらい、趣味としての写真の価値を伝えることを目的としている。具体的には、RICOH GRシリーズが長年培ってきたストリートフォトグラフィーに適した描写性能や撮影機能の一部を、より広範なユーザー層に提供し、ストリートフォト文化の普及を両社で推進する意図がある。このコラボレーションは、約4年間の構想期間を経て実現し、レンズ、画像処理、ユーザーインターフェース（UI）の徹底的なカスタマイズが施された。

Realme GT 8 Proのメインカメラシステムは50メガピクセルセンサーを核とし、7Pレンズ構造を採用。写真におけるグレアや不要な影の発生を抑制する五層の反射防止コーティングが施されている。カメラ機能は、GRシリーズで馴染み深い28mm相当と40mm相当の二つの焦点距離を提供し、GRの伝統を反映したPositive、Negative、High Contrast Black and White、Standard、Monotoneの五種類のフィルムスタイルカラープロファイルが搭載されている。特筆すべきは、背面カメラカバー部分をスクエア型、ラウンド型など、別途オプションで提供される様々なデザインに交換可能なモジュラー式のカメラデザインであり、ユーザーの個性を表現する手段として位置づけられている。

パフォーマンス面では、本機はQualcommの最新チップセットであるSnapdragon 8 Elite Gen 5を搭載している。このSoCは、最大4.6GHzで動作する第3世代Qualcomm Oryon CPUを搭載し、前世代比でCPU性能が20％向上し、電力効率も改善されている。Hexagon NPUは約37％高速化し、デバイス上での高度なAI処理を支える。ディスプレイは6.79インチの2K解像度有機ELパネルで、最大144Hzのリフレッシュレートに対応する。

グローバル市場への展開スケジュールも具体化しており、中国での発表後、インド市場には2025年11月20日に、ヨーロッパ市場には同年11月24日に順次リリースされる予定である。この展開は、Realmeがこれまで異分野のパートナーと協業してきた実績に連なるものであり、ハイエンド市場における存在感を高める試みの一環と見なされる。Realme GT 8 Proは、先進的な処理能力と写真愛好家が求める描写へのこだわりを両立させたフラッグシップモデルとして市場に投入される。